項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | VGKC複合体を標的とする神経疾患の病態解明 | |
研究代表者名 | 深田正紀 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東海国立大学機構 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | VGKC複合体を標的とする神経疾患 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 近年の次世代シークエンスやプロテオミクス解析技術の進歩により、様々な遺伝子変異や自己抗体が見出されているが、それらの病態メカニズムは不明な点が多い。本研究では、電位依存性カリウムチャネル(VGKC)複合体の中核をなす「LGI1-ADAM22とそのファミリー分子」の機能障害により惹起される疾患群の共通病態を明らかにする。 これまでに私共は、「てんかん関連リガンド・受容体、LGI1-ADAM22」を発見し、LGI1-ADAM22がVGKCやAMPA型グルタミン酸受容体の機能を制御することを報告してきた。また、LGI1-ADAM22経路の破綻により生じるてんかんと自己免疫性脳炎の病態に関するリバーストランスレーショナル研究を実践してきた。一方、LGI1-ADAM22には、ファミリー分子(LGI2,3,4とADAM23,11) が存在するが、これらファミリー分子群の生理機能やヒト神経疾患との関連性は十分に解析されていない。ごく最近、LGI3遺伝子に変異を有する「知的障害とミオキミア」を呈する症例が16例報告された。本研究では、Lgi3の機能欠損マウスの解析を進め、LGI3-ADAM23-VGKC経路の破綻による病態機構を解明する。 また、国際共同研究により、私共は神経発達障害患者において見出した変異群:(i)LGI1変異(最初の潜性変異: 3家系)、(ii)ADAM23変異(最初の変異: 2家系)、および (iii) LGI2変異(最初の変異: 5家系)の分子病態を解明する。特に、これら変異がVGKC機能に影響を与えうるか検証し、LGI-ADAM22ファミリー経路の破綻により生じる疾患の共通病態と多様性を明らかにする。 一方、私共は自己免疫性辺縁系脳炎患者のB細胞からLGI1に対する組換え型単クローン性自己抗体を単離した。本研究では、(i)マウス脳内の特定の神経細胞種や脳領域に組換え型自己抗体を発現・作用させる手法を開発し、(ii)自己免疫性脳炎病態を再現する病態モデルマウスを作製し、(iii)自己抗体クローンによる神経回路機能の破綻と神経症状との因果関係を検証する。 以上の研究により、LGI-ADAM22ファミリーの機能不全によって引きおこされる多様な希少疾患の共通病態と分子種特異的な病態を明らかし、新たな疾患分類、診断法、および治療戦略を提案する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。