項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | TDP-43タンパク質を標的とした孤発性筋萎縮性側索硬化症の核酸医薬開発 | |
研究代表者名 | 横田隆徳 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京科学大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は全身の筋萎縮・筋力低下をきたす進行性の運動神経疾患で、人工呼吸器を装着しない場合は発症から2〜5年で死に至る難病である。95%以上の孤発性や家族性ALS患者の神経細胞の細胞質にはTDP-43(TAR-DNA binding protein 43 kDa)の凝集体が認められ、TDP-43の遺伝子変異によってもALSは発症することからTDP-43はALS病態の中核と考えられるが、未だTDP-43を標的とした治療薬は存在しない。 我々はTDP-43の本来の機能を保ちながら凝集体の形成を抑制することができる治療法を目指し、発現量制御に依らない新たなモダリティである「ベイト核酸」の開発に取り組んできた。これまでの研究によって、「RNAとの結合」にTDP-43タンパク質凝集抑制効果があることを見出しており、人工のオリゴ核酸にこの結合RNAの役割を持たせたものをベイト核酸として開発した。TDP-43に結合して凝集を抑制する塩基配列と核酸化学修飾をもつベイト核酸を探索し、高い有効性と安全性を兼ね備えたBait-1を創製した。TDP-43発現ALSモデルマウスにBait-1を投与することによって、TDP-43の凝集抑制とALS症状の改善に成功し、本核酸に関する特許は既に各国移行済みである。 これらの研究成果をもとに、本課題では、Bait-1をリード化合物として最終的な分子構造のfine tuneを行い、最終候補薬を決定してALSに対する非臨床試験を行う。有効性の指標としては、マウスの表現型の改善を検証するとともに、ALSのバイオマーカーである血漿中Neurofilament-Light chain量の測定、TDP-43の凝集体とリン酸化の定量を行う。さらに、齧歯類・霊長類での薬物動態試験と安全性試験を実施し、最終年度に齧歯類・霊長類GLP試験を行うための結果を得る。これらの結果をPMDAと共有しながら、治験における投与量、投与間隔、投与方法を決定する。また、治験に用いる効果判定指標と患者のリクルート方法の検討も行い、最終年度には、治験開始(ステップ2)に必要な非臨床試験のデータ収集と治験プロトコール策定が完了することを目指す。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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