項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | HAM・HTLV-1陽性難治性疾患の患者レジストリ活用によるエビデンス創出 | |
研究代表者名 | 山野嘉久 | |
研究代表者の所属機関名 | 聖マリアンナ医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | HTLV-1関連脊髄症(HAM) | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;疫学研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)感染者の約0.3%に発症するHTLV-1関連脊髄症(HAM)は、進行性の脊髄障害を特徴とする疾患で、未だ有効な治療法のない深刻な難治性疾患である。 我々はこれまでに、HTLV-1に関連する疾患であるHAM、HTLV-1陽性リウマチ性疾患、HTLV-1陽性の臓器移植について重要臨床課題(CQ候補)を抽出し、そのうちエビデンスが存在するものについてはCQとして取り上げ推奨を作成し、「HAM診療ガイドライン2019」にまとめた。しかしながら、多くのCQ候補に対するエビデンスが圧倒的に不足していたため、2018~2020年度 難治性疾患実用化研究事業研究班(研究代表者 山野)にてHAM、HTLV-1陽性リウマチ性疾患、HTLV-1陽性の臓器移植の3つのレジストリを整備し、レジストリデータを活用した研究を行った。 その結果、さらなるエビデンスを蓄積し、HAM診療ガイドラインに掲載する必要があると判断された以下の4つの課題が抽出された。 1. HAM・HTLV-1陽性難病患者におけるATL発症リスクの層別化アルゴリズムの確立 2. HAM発症リスクに関するエビデンスの創出 3. HAMのリハビリテーションに関するエビデンスの創出 4. HAMの排尿障害とQOLに関するエビデンスの創出 そこで本研究では、先行研究で整備した3つのレジストリを活用し、これらの課題についてエビデンスを創出し、2024年度のHAM診療ガイドラインの改訂を目指す。 また3つのレジストリは継続的に運営し、試料・情報の収集を行うとともに、生体試料を収集し、診療を行う共同研究機関を増やすよう関連学会等に働きかける。さらに最近では、レジストリで収集したデータを製造販売後調査などに活用したいという企業のニーズも高まってきているため、3つのレジストリについても各種規制に対応させた信頼性を担保できるレジストリに改修する。 本研究により得られる成果を用いてHAM診療ガイドラインを改訂することで、全国的なHTLV-1関連疾患の診療レベルが向上することが期待され、患者QOLの向上に貢献するものと期待される。また、信頼性が担保され、安定かつ継続的なレジストリを運営することで、レジストリデータが企業等に利活用されることが見込まれる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | HTLV-1関連脊髄症(HAM)/26 | |
目標症例数 | 1000 例 | |
登録済み症例数 | 628 例 | |
研究実施期間 | 2012年1月25日~登録症例の観察がすべて終了するまで | |
レジストリ名 | HAMねっと | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;製造販売後調査への活用;登録患者への情報提供 | |
調査項目 | 【試験担当医師による調査】 1) 被験者背景 氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、連絡先(TEL、FAX、メールアドレス)、治療歴、合併症の有無、登録時の血液・髄液一般検査所見 2) 納の運動障害重症度、10m歩行時間、2分間歩行距離 3) ステロイド、インターフェロン、抗痙縮薬の治療状況 【HAMねっと事務局による調査】 1) 患者背景 氏名(よみがな)、性別、生年月日、郵便番号、住所、連絡先(TEL、FAX、メールアドレス)、本人へ連絡がつかない時の連絡先 2) 生活環境および生活状況 出生情報、民族、最終学歴、職業、収入の有無、公的支援受給状況(指定難病患者の認定状況を含む)、婚姻状況、同居家族、輸血歴、移植歴、もらい乳の経験、合併症、既往歴、妊娠・出産経験、嗜好品、HTLV-1家族歴(第一度、第二度近親者のキャリア・HAM・ATL患者の別) 3) HAMの症状 初発症状とその時期、HAMと診断された時期とその医療機関名、症状が出始めてから診断されるまでに受診した医療機関の数、現在受診している医療機関名および診療科名・主治医名、OMDS、IPEC-1、その他運動障害に関する症状、HAQ、介助の必要性および主な介助者、排尿・排便障害に関する症状、OABSS、N-QOL、ICIQ-SF、I-PSS、HAMおよび歩行状態の患者評価、SF-36、EQ-5D-5L 4) 治療歴 治療の有無およびその内容、その他治験・臨床試験への参加歴を含むHAMに関連する新規治療に関する内容 5) 担当医師からのデータ 治療の有無およびその内容、血液検査結果、髄液検査結果、合併症 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供。 | |
レジストリURL | http://hamtsp-net.com/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;髄液 | |
収集サンプル数 | 1827 | |
生体試料の登録例数 | 361 | |
DNA登録例数 | 355 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 214 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 0 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供。 | |
担当者連絡先 | ||
HAMねっと事務局 〒216-8512 川崎市宮前区菅生2-16-1聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター内 Tel・Fax:0120-868619 E-mail:info●hamtsp-net.com |
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