項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | Alport症候群に対するエクソンスキッピング療法の開発 | |
研究代表者名 | 野津寛大 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人神戸大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | Alport症候群 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 背景:Alport症候群は指定難病のひとつである重篤な遺伝性腎疾患で、男性患者では大半が30歳までに末期腎不全へと進行する。海外では5000人に1人の有病率とされている。最も頻度の高いX染色体連鎖型Alport症候群(XLAS)は4型コラーゲンα5鎖をコードする遺伝子COL4A5遺伝子の異常で発症する。本疾患はtruncating変異を有する場合には、non-truncating変異を有する場合と比較し、約20年末期腎不全進行年齢が早いことが判明している。このため、本疾患に対する特効薬の出現が、国内外の患者、並びに患者家族から強く望まれている。 研究の目的:未だに有効な治療法が存在せず、特異的治療法の開発が強く望まれるAlport症候群に対する世界初の遺伝子を標的とした分子生物学的治療法開発を行っている。具体的には、重症型であるtruncating変異を有する患者に対し、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)によるエクソンスキッピングを利用して、比較的軽症型であるnon-truncating変異に置換する治療法を確立する。本研究期間中に非臨床試験を終了させ、速やかに臨床試験を開始する 研究の概要:COL4A5遺伝子はcollagenous domainを形成する44エクソン中35エクソンが3の倍数の塩基数で構成されており、エクソンスキッピング療法により、多くの重症型患者でtruncating変異をnon-truncating変異へと置換することができ、末期腎不全への進行を遅延させることが可能となる。本治療法の開発は世界に先駆けて私たちが進めており、現在世界中から大変注目されている(Nature Communications, 2020、小児腎臓病学会2019優秀演題奨励賞、IPNA2019シンポジスト、ASN2019 Oral presentation、国際Alport症候群Work shop 2019でCecil Alport Award受賞、小児科学会2020シンポジスト等)。 これまでの成果および今後の展望:すでにin vitroおよび遺伝子改変モデルマウス(エクソン21変異マウスを独自に作成)をもちいたin vivo信頼性保証試験において、その有効性の評価を行った。その結果、マウスモデルにおいて、生存日数の著明な改善、尿蛋白の排泄量の抑制、組織学的所見の進行の有意な抑制および腎臓における4型コラーゲンα5鎖の発現をもたらすことに成功し、明確な有効性の証明に成功した。現在、非臨床の安全性評価(GLP試験)を行っており、その安全性の確認後、治験プロトコル作成まで終了の上、速やかに医師主導治験を開始したいと考えている。また現在は先行してエクソン21に対する治療薬の開発を行ったが、今後、さらに標的エクソンを増やす予定である。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | Alport症候群 | |
目標症例数 | 500 例 | |
登録済み症例数 | 0 例 | |
研究実施期間 | 2022年1月~2025年3月 | |
レジストリ名 | アルポート症候群レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、出生情報、臨床情報、ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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