項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | A3243Gミトコンドリア耐糖能異常に対するタウリン療法の実用化 | |
研究代表者名 | 砂田芳秀 | |
研究代表者の所属機関名 | 学校法人川崎学園川崎医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | A3243Gミトコンドリア耐糖能異常 | |
研究のフェーズ | 臨床試験;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | ミトコンドリアゲノムA3243G変異は、MELASからミトコンドリア耐糖能異常MIDD (Maternally-inherited diabetes and deafness)まで多彩な表現型を示す。安川らは変異によりミトコンドリアtRNALeu(UUR)のタウリン修飾が欠損しコドン認識障害が惹起される病態から「tRNA modopathy」を提唱した。我々は共同研究によりタウリン大量投与によるA3243G変異細胞のミトコンドリア機能障害の改善・MELAS患者の脳卒中様発作再発防止(AMED17ek0109093h0003:2019年2月薬事承認)・2名のMIDD患者の血糖コントロール改善を発見し、薬効バイオマーカーである末梢血白血球ミトコンドリアtRNALeu(UUR)タウリン修飾率の新規性からシーズ特許を権利化した(特許第6966784号)。本研究は、MIDDを対象としてタウリン療法の二重盲検比較試験(Phase IIa)を実施し、その有効性・安全性についての臨床POC取得・薬効バイオマーカーの実用化を計る。タウリンは、1987年に心不全と高ビリルビン血症を適応に薬事承認されている廉価な既存薬で、ドラッグ・リポジショニングにより高価な血糖降下剤量を低減させる医療経済的意義がある。2018年度開始のAMED課題により前観察期間12週・試験薬投与(観察)期間24週の治験を実施している。コロナ感染による登録遅延、治験経費増大にも関わらず、2021年9月には、有効性の主要評価であるHbA1c変化率についての統計学的Rationaleである目標症例数40例 (本薬20例/偽薬20例)を超える43症例の登録が達成できた。2021年度中に観察期間を終了し、キーオープン・統計解析によってタウリンの有効性、バイオマーカーの有用性を立証する。マイルストン(MS)1:40症例の観察期間終了;MS2:キーオープン・統計解析・総括報告書作成;MS3:薬効バイオマーカー有用性検証;MS4:企業導出。成功すれば、糖尿病を惹起する単一遺伝子疾患としては最も頻度が高いA3243G-MIDD(全糖尿病の1%:人口の0.0055%の稀少疾患)の病態抑制、即ち、高血糖に対する対症療法に過ぎない競合品インスリン・血糖降下剤に卓越する糖尿病の進行を抑制する世界初の疾患修飾薬が発信できる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | ミトコンドリア病/21 | |
目標症例数 | 40 例 | |
登録済み症例数 | 43 例 | |
研究実施期間 | 2018年10月~2022年3月 | |
レジストリ名 | KN-02-Registry | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索 | |
調査項目 | ○患者背景:糖尿病中核14医療施設に通院中または通院可能な患者 ○診断名:ミトコンドリア耐糖能異常MIDD (Maternally-inherited diabetes and deafness) ○家族歴:母系遺伝糖尿病・母系遺伝難聴 ○出生情報:多くは正常(糖尿病・難聴の平均発症年齢は30歳) ○臨床情報:糖尿病診断基準への適合性・糖尿病治療薬処方状況・ミトコンドリア脳筋症合併状況(難聴・心筋症・低身長等)・糖尿病合併症の有無(腎症・神経症・網膜症)・本医師主導治験組み入れ基準・除外基準への適合性・末梢血白血球ミトコンドリアtRNALeu(UUR)タウリン修飾率・末梢血白血球ミトコンドリアND6蛋白質量・血中タウリン濃度・HbA1c値・空腹時血糖・C peptide index (CPI)= CPR (ng/mL)/血糖(mg/dL)x100・平均聴力レベル(左・右)(オージオグラム:4分法B)・ 12誘導心電図数値・心エコー各パラメーター ○ゲノム情報:末梢血白血球ミトコンドリアゲノムA3243G変異率(ヘテロプラズミー) | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 治験調整医師と各施設の治験責任医師で対応を協議後、各施設の倫理委員会承認、及び患者の同意を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞 | |
収集サンプル数 | 77 | |
生体試料の登録例数 | 77 | |
DNA登録例数 | 77 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 0 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 0 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 治験調整医師と各施設の治験責任医師で協議後、各施設の倫理委員会承認、及び患者の同意を得て提供する。 | |
担当者連絡先 | ||
産学連携知的財産管理室、本地直貴、s-renkei●med.kawasaki-m.ac.jp |
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