項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | X連鎖高IgM症候群に対する改良型Cas9を用いたゲノム編集技術によるT細胞遺伝子治療法の開発 | |
研究代表者名 | 内山徹 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立成育医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | X連鎖高IgM症候群 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | 【目的】X連鎖高IgM症候群(XHIGM)は、活性化T細胞の表面に発現するCD40LGの異常により発症し、B細胞に対するクラススイッチ(IgMからIgGなどへ)シグナルの欠損やT細胞自身の機能低下から、重症感染症を呈する疾患である。根治的治療は造血幹細胞移植であるが、ドナーが不在の患者や感染による臓器障害を呈する患者に対しては、T細胞遺伝子治療の可能性が検討されてきた。近年のゲノム編集技術の発達により、直接、変異遺伝子を修復する遺伝子治療が臨床の場で検討され始めており、今回、ゲノム編集創薬ベンチャーEdiGENE社において開発された新規CRISPR/Cas9を用いた、より効率が高く、かつ安全性を確保したXHIGMに対するT細胞遺伝子治療法の開発研究を実施する。 【特色・独創性・優位点】現行のex vivo遺伝子治療は、レンチウイルスベクターなどによる治療遺伝子の恒常的発現が主流であるため、活性化に伴い発現するCD40LGなどでは、強制発現によるがん化の懸念もあり、このような生理的な発現制御が必要である遺伝子に適用が難しい。その点、ゲノム編集では遺伝子の発現が内因性プロモーター領域によることから生理的発現制御が可能となり、がん化の懸念を払拭できる。一方、従来のCas9はオフターゲット効果が否定できず、実際の臨床応用においてはその克服が急務であるが、申請者は今回EdiGENE社が開発した小型でかつオフターゲットの無い高精度Cas9を用いたゲノム編集技術を利用することで、臨床応用に向けて最も大きな障害であるオフターゲットの克服を試みる。また、今後の臨床応用を見据え、ウイルスベクターを用いない導入方法を確立する。 【国際的に見た研究の立ち位置、必要性・期待される効果・将来の展望】免疫系を司る遺伝子の発現は厳密に制御されており、これらの疾患に対する遺伝子治療では生理的発現制御が可能なゲノム編集技術の導入は必須である。一方で、従来のゲノム編集システムは海外の企業が特許を有することから国内での展開が難しく、国内の企業との遺伝子治療技術の開発は急務である。さらに、申請者は、現在、ex vivo遺伝子治療における再生医療等製品の開発に従事しており、治験実施に必要な非臨床試験に関する経験及び知見を基に、企業連携による原発性免疫不全症に対するゲノム編集技術による遺伝子治療の治験開始を目指す。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | X連鎖高IgM症候群(CD40L欠損症) | |
目標症例数 | 5 | |
登録済み症例数 | 1 | |
研究実施期間 | 2018年4月~2021年3月 | |
レジストリ名 | ゲノム編集T細胞遺伝子治療対象XHIGM患者 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;治験またはその他の介入研究へのリクルート;バイオマーカーの探索 | |
調査項目 | XHIGMの疫学情報(患者分布、病型等)の収集 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 検討中 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA;細胞 | |
収集サンプル数 | 2 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 検討中 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立成育医療研究センター 成育遺伝研究部 内山徹 uchiyama-t●ncchd.go.jp |
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