項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 高い耐久性と安全性を実現する革新的な超小型磁気浮上型小児用補助人工心臓の研究開発 | |
研究代表者名 | 長真啓 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人茨城大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 小児慢性特定疾患:心疾患 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験; | |
研究概要 | 小児の心不全治療に適用可能な補助人工心臓は体外設置型拍動流式のEXCOR pediatricが唯一である.欧米ではEXCOR pediatricは平均年齢4-5歳の小児患者に移植または成人用補助人工心臓へ移行するまでの橋渡しとして臨床応用されるが,3歳以下の小体格な小児患者の心不全治療方法はなく,命が失われていると言っても過言ではない.日本では新生児の小児患者からEXCOR pediatricを使用する症例がある.しかし,①全国で30台程度しかEXCOR pediatricを臨床使用できない,②移植心提供が少なく,1年以上の治療が基本となり病床が空かない,等の理由から深刻な医療逼迫を招いている.世界的に乳幼児に適用可能,かつ植込みでの年オーダーの使用,退院・帰宅を実現できる連続流式の補助人工心臓開発が切望される. 体内植え込みに供せる小児用人工心臓の血液適合性の課題を打破するためには,超小型なインペラ支持機構の開発が不可欠である.しかし,革新的な磁気浮上方式を採用した小児用人工心臓はこれまでに実現されていない.本研究では,モータと磁気軸受の機能を一体化したセルフベアリングモータの技術に着眼し,インペラの非接触支持,回転を実現可能な磁気浮上制御原理と磁気浮上モータの構造を考案,基本原理の確立,特許出願を行った.AMED事業を通し,機器植込みでの動物試験に向けて大きく血液ポンプの研究開発を進展させた. 小児用補助人工心臓の最重要要素の磁気浮上モータ,血液ポンプ部の技術が確立されつつある一方で,非臨床試験へ進むには,送脱血管,制御・駆動装置等の周辺機器を含めたトータルシステムでの機器開発が不可欠である.本事業では,人工心臓プロトタイプ初号機でインペラ非接触支持,低発熱性,防水性を検証する.人工心臓プロトタイプ2号機と駆動・制御装置の試作を進め,長期耐久性の検証と課題抽出を行う.送脱血管を含めた人工心臓プロトタイプ3号機,駆動・制御装置の統合を図る.各フェーズで慢性動物試験を実施し,開発機器のコンセプト検証,非臨床研究に向けて機器の精度を高める. 本事業を通して,非臨床研究の前段階まで研究開発を進めることで,未だ空白の植込み型小児用補助人工心臓の早期実用化を目指す.機器植込み実現による退院・帰宅の実現できれば,普及後の小児心疾患治療の症例数拡大が期待できる.国内外で乳幼児期からの小児への適用により,現状のEXCORのみでの治療では賄いきれない適応患者への使用を実現して小児の循環補助治療の裾野を広げる. | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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