項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの新規病態分子基盤に基づく診断法・治療戦略の開発 | |
研究代表者名 | 平田祐介 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東北大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は、人口10万人あたり5人の頻度で発生する、筋ジストロフィーの中では頻度の高い型の1つで、有効な治療法のない常染色体優性遺伝の希少難病である。顔面筋・肩甲・上腕近位部の筋細胞死に伴う筋障害を特徴とし、病態進行は緩慢だが、やがて歩行困難に至る。その直接的病因は、霊長類特異的転写因子DUX4の筋細胞での異所性発現でありことが判明している一方、特徴的所見として、DUX4の患者筋組織中における発現レベルが極めて低いことが知られている。しかし、非常に低レベルのDUX4発現で筋細胞死が起きる理由や、遺伝的背景が同一でも病態の進行に個人差が生じる仕組みなど、具体的な疾患発症機序は全く不明で、疾患バイオマーカーも未確立である。 上記背景を踏まえ、申請者らは、DUX4を薬剤誘導性に低発現する培養細胞株を樹立した。DUX4単独の低発現では、筋細胞の生存や分化に特に異常は認められない一方、酸化ストレス等のストレスが加わると、ある非典型的プログラム細胞死が顕著に促進すること、DUX4転写ターゲットの霊長類特異的TRIMファミリー分子群(約20分子)の1つが、DUX4をユビキチン化・分解に導くことで、FSHD病態増悪(DUX4誘導性細胞死)を強力に抑制していることを見出した。 そこで本研究では、FSHD患者由来のiPS細胞から分化させた筋細胞を病態モデルとし、FSHD病態発症・進展の分子機序の解明と新規病態診断法・治療戦略の開発を目的として、A) FSHD病態分子基盤の確立、B) FSHD疾患バイオマーカーの開発、C) FSHD治療戦略の開発を目指す。 本研究により、筋障害レベルを反映した信頼性の高い細胞死(バイオ)マーカーを、筋障害レベル(病態の増悪・進行度)を直接的に反映した指標として提案可能となる。また、新規治療シーズとして、長期投与が可能な毒性の低い細胞死阻害剤を新たに開発し、新規治療法として提案する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立大学法人東北大学、平田祐介、yusuke.hirata.d8●tohoku.ac.jp |
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