項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 難プラ標準レジストリーを使用し、新生児マススクリーニング対象疾患等の遺伝子変異を考慮したガイドライン改定に向けたエビデンス創出研究 | |
研究代表者名 | 笹井英雄 | |
研究代表者の所属機関名 | 岐阜大学大学院医学系研究科小児科学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 新生児マススクリーニング対象先天代謝異常症等 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;エビデンス創出研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 当研究班では新生児マススクリーニング(NBS)対象疾患等の先天代謝異常症を対象として、大きく2つのプロジェクトで研究を進めてきている。一つの研究の柱は遺伝子変異を同定してフォローアップする研究である。先行研究で遺伝子パネルを用いて疾患の遺伝子解析を行い、研究班で運用する仕組みが構築されていたが、当研究班では引き続きフォローアップ研究を継続した。そして、さらにそれを維持・発展させるべく難病プラットフォーム標準レジストリー(難プラ)を用いた対象疾患のレジストリーの確立・維持により、遺伝子変異を確定してフォローする体制作りを目指し、その体制整備・運用を進めた。遺伝子パネルに関しては、先行研究からの8年間(平成26年1月から令和4年9月)で、697症例の解析を行った(当研究班開始後の2年半としては246症例の解析を行った)。その中で、NBSによって発見された症例はおよそ6割の436症例であるが、これまでのところ、約73%の症例で責任遺伝子に変異を同定できている。 本研究において、新生児マススクリーニング対象疾患に関して、悉皆性とは言えないものの国内の新規症例の約半数程度はフォローアップ研究に参加していることになり、非常に重要な情報源となるレジストリーとなっている。また、保険収載の遺伝子検査は、国内の症例に関していえば、ほぼ全例が「かずさ遺伝子検査室」で検査されており、報告書を通じてAMED研究班として主治医にリンクして疾患専門医による診断サポートを提供することで、国内のNBS象疾患の遺伝子診療・研究の下支えをおこなってきた。同時に、これらの症例の臨床像を蓄積している。そして、一部の症例は難プラを用いた詳細な登録へと移行を開始しており、従来のレジストリとの統合を行っていく。 もう一つの研究の柱はガイドライン改訂に向けたクリニカルクエスチョン(CQ)へのエビデンス創出である。遺伝子型による個別化ガイドラインのエビデンス提供を複数の疾患において行うことを目的としており、遺伝子変異の同定後のフォローアップとリンクしたものを中心に、10のCQを立てて研究を進めてきた。 このようなフォローアップ研究は2-3年ではすぐに成果にはならないが継続することで大きな成果が得られると考えている。そして、対象疾患についてのレジストリーに症例が蓄積され、今後のNBS対象疾患等の診療に役立つ情報が蓄積されることで、将来的にはいくつかの疾患で遺伝子型に基づく個別の診療ガイドラインの改訂が期待できる。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 新生児マススクリーニング対象先天代謝異常症等 フェニールケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン血症、シトリン欠損症、尿素サイクル異常症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、マルチプルカルボキシラーゼ欠損症、β-ケトチオラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、グルタル酸血症2型、HMG-CoAリアーゼ欠損症、極長鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症、中鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症、3頭酵素欠損症、ガラクトース血症、CPT1欠損症、CPT2欠損症、CACT欠損症、原発性カルニチン欠乏症、ウイルソン病、糖原病など | |
目標症例数 | 60例/年 例 | |
登録済み症例数 | 17 例 | |
研究実施期間 | 2020年8月〜2025年7月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;治験またはその他の介入研究へのリクルート;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会でその可否とデータの提供範囲を判断する。 | |
レジストリURL | http://www.jsiem.com | |
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
岐阜大学大学院医学系研究科小児科学 笹井英雄 (sasai●gifu-u.ac.jp) |
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