項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 重症低ホスファターゼ症小児患者を対象とした高純度間葉系幹細胞(REC-01)移植の安全性及び有効性を検討する臨床第I/IIa相医師主導治験(FIH試験) | |
研究代表者名 | 竹谷健 | |
研究代表者の所属機関名 | 島根大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 低ホスファターゼ症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia:HPP)はアルカリホスファターゼ(ALP)の欠損による石灰化障害で、骨関連の臨床像として、骨の湾曲、易骨折性、歯の脱落等が確認され、重症例は致死的な臨床経過をたどるか、軽症例でも日常生活が制限されることが多い。 研究開発代表者らは文部科学省及び厚生労働省の支援を得てHPPに対するヒト幹細胞臨床研究を行った。この臨床研究ではHPP患者2例に対して通常法で培養した同種間葉系幹細胞を経静脈的に複数回移植することにより、世界で初めて全身骨の再生に成功して、救命させることができた。しかし実施した2例とも骨構造が正常レベルに達するまでの改善には至らなかった。 研究開発協力の島根大学松崎らは文部科学省支援を得て、セルソーターを用いることで極めて増殖分化能の高い細胞集団を選別することに成功して、高純度ヒト間葉系幹細胞REC (Rapidly Expanding Cell)と命名した。また、通常法で培養した間葉系幹細胞に比べてRECは100倍以上の細胞数を移植しても肺塞栓などの副作用が出ないことも明らかにした。 2017年より竹谷は、AMEDの助成を受け、治験開始を目指し非臨床研究を進めて、疾患モデルマウスで効果を実証できただけでなく、一般毒性試験と体内動態試験は、GLP下に本本試験を実施し、安全性を実証した。これらの結果を含めて、治験届も提出して、治験開始の承認を得た。 本研究開発では、重症HPP小児患者を対象とした高純度間葉系幹細胞(REC-01)移植の安全性及び有効性を検討する臨床第Ⅰ/Ⅱa相医師主導治験(目標症例数 3例)を実施する。2年目の後半より中間的な結果解析を踏まえ、酵素製剤の中止/減量を行う新規治験デザインの検討を開始し、期間内にPMDAと方法について合意に達することを目指す。 本研究開発の対象疾患であるHPPの標準治療は酵素補充療法であるが、対症療法であるため根治は望めず、不十分な効果だけでなく定期的な投与、高額な医療費などの課題が存在する。REC-01は高い増殖能、遊走能、分化能を有するため、レシピエント骨髄に遊走生着後に骨芽細胞へと分化し、ALPを常時発現するより正常骨が形成され、根治が期待できる。したがって生命予後の改善のみならず、患者のQOL改善と増え続ける医療費の国家負担軽減をももたらすことが期待できる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA;組織;細胞 | |
生体試料の登録例数 | 0 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
島根大学医学部小児科 竹谷健 ttaketani●med.shimane-u.ac.jp |
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