項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 遺伝統計学的解析によるてんかん性脳症の新規原因遺伝子探索及び病態解明 | |
研究代表者名 | 高田篤 | |
研究代表者の所属機関名 | 横浜市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 発達性およびてんかん性脳症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | てんかん性脳症(epileptic encephalopathy:EE)は、罹患者の生命予後、QOLに大きな影響を及ぼす希少難治性神経疾患である。これまで多くの原因遺伝子が同定されているが、1)エクソーム解析等の網羅的手法を用いても少なくとも半数の症例では遺伝子診断に至らない、2)この不完全な遺伝子診断率は、調節領域(非コード領域)の機能的変異が関与することによって説明されうるが、その実体は不明、3)同じ遺伝子の変異もしくは全く同じ変異を持っていても、しばしば表現型に大きな差異が認められる、4)近年の網羅的研究の結果、EEには以前に予想されていたよりも複雑な脳病態が関与する(=必ずしも単純なイオンチャネルの障害ではない)ことが示唆されているが、その詳細は未解明、5)既知EE遺伝子中の機能的と予想される変異の、一般集団での頻度、推定される浸透率について詳細な検討がなされていない、といった未解決の問題が存在する。 本研究では、大規模エクソーム・全ゲノムシーケンスデータを最先端の遺伝統計学的手法、統合的バイオインフォマティクス手法を用いて解析することにより、これらの問題の解決に取り組む。具体的には、大規模ケースコントロールエクソームデータ(EE>700及び対照群>2,000症例)及び、トリオの全ゲノムデータ(20-50トリオ)に対して、遺伝子ベースのバーデンテスト、ベイズ推定によるケースコントロールデータとde novo変異データの統合的解析、種々のアノテーションツールを用いた非コード領域を含む変異の意義付け、我々の研究チーム(以下、当研究チーム)の過去の自閉スペクトラム症研究で既にその有用性を証明している脳病態及び治療薬候補の探索的解析などの手法を複合的に用いる。 また、当研究チームの予備的解析で、EE群では、既知EE遺伝子以外の遺伝子でも全体として稀で機能的な変異が多いことが明らかになっており、表現型修飾的な変異の役割を示唆する所見も得られている。これらは、本研究でサンプルサイズを増やすことにより、新規EE遺伝子の同定等の発見が達成できる確率が高いことを示している。 期待される研究開発成果としては、1)遺伝子診断につながるような新規EE原因遺伝子の同定、2)表現型を修飾資するような変異、調節領域の変異の役割についての理解、3)EEに関連する生物学的経路と治療薬候補の同定、などがあげられる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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