項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 遺伝性疾患・神経線維腫症 2 型に対する革新的治療法(新規免疫療法)の開発 | |
研究代表者名 | 戸田正博 | |
研究代表者の所属機関名 | 学校法人慶應義塾 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 神経線維腫症2型(NF2) | |
研究のフェーズ | 治験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 神経線維腫症2型(NF2)は、両側前庭神経鞘腫を主徴とする遺伝性疾患で、若年より聴力が障害され、進行が早い難治性希少疾患である(10年生存率67%)。手術では神経損傷の可能性が高く、放射線治療も長期制御は困難で、悪性転化のリスクもある。NF2に対し、分子標的薬(bevacizumab)の有効性が報告されたが、2週間に1度の継続投与が必要であり、耐性化・副作用・リバウンド現象により長期効果は期待できない [Blakeley JO. J Clin Oncol. 2016; Webb MJ. Neurooncol Adv. 2023]。そのため、長期間の効果が期待できる新たな治療法が求められている。 我々はNF2の神経鞘腫の血管内皮及び腫瘍細胞にVEGF Receptor 1 (VEGFR1)及びVEGFR2が高発現していることを明らかにし、神経鞘腫の増大を抑制するためにVEGFR1/R2が治療標的となることが示唆された。そこで、VEGFR1/2ペプチドワクチン(HLA-A*2402拘束性VEGFR1ペプチド(OCV-101)、及びVEGFR2ペプチド(OTS-102))を用いた探索的臨床研究を先導し、良好な腫瘍縮小・聴力改善効果を示した [Tamura R. Nature Communications. 2019]。3年以上の長期間制御症例も見出し、治療効果予測バイオマーカーとして期待される病理組織学的指標も報告した [Tamura R. Exp Mol Pathol.2020]。NF2に対する免疫療法は本治療法が世界初で、NF2の特性とマッチしており、本製剤の実用化は初めての標準治療を提供できる可能性が高い。そこで、本申請ではVEGFR1/2ペプチドワクチンの薬事承認に向け、NF2患者を対象とした医師主導治験を提案する。 本開発においては、AMED橋渡し事業 シーズB、AMED難治性疾患実用化研究事業医薬品ステップ1の支援を受け、非臨床開発、製造検討を進めてきた。これらの支援にて、治験に必要な非臨床試験パッケージの完了、治験薬製造方法の確立、分析方法バリデーション、治験薬原薬(GMP)の確保は達成済みである。治験プロトコルに関しては、プラセボ投与群を対照とした二重盲検無作為化比較試験を行い有効性・安全性を評価する計画とした。 本課題においては、①治験薬の製剤製造、②治験準備(ドキュメント類作成、IRB申請、治験届提出等)、③治験実施(マイルストーン:主治験におけるCSR作成)を遂行する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
慶應義塾大学医学部 戸田正博 todam●keio.jp |
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