項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核変性症を対象とした多施設共同前向きコホート研究による質の高い診療エビデンスの構築 | |
研究代表者名 | 池内健 | |
研究代表者の所属機関名 | 新潟大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;ゲノム・オミックス解析研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 【背景・必要性】 希少難病・神経変性疾患である進行性核上性麻痺(PSP: progressive supranuclear palsy),大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration)の病因は未だ不明であり,有効な治療法は確立されていない。希少疾患である当該疾患は従来,単一施設における少数例の後向き観察研究を中心に検討されてきたため,診療に直結する診療エビデンスが得られにくい状況にあった。そのような背景のもと,平成30年~令和2年度にAMED 難治性疾患実用化開発事業の支援を受け,進行性核上性麻痺およびその類縁疾患を対象とした多施設共同コホート研究:JALPAC (Japanese Longitudinal Biomarker Study in PSP and CBD) を全国45施設で構成されるネットワーク基盤を構築した。 【目標・ねらい】 先行事業で構築した患者レジストリと試料レポジトリ基盤を活用し,ベースラインにおける横断的データに加え,前向き追跡に基づく臨床データ,試料レポジトリを活用して,診療に資するエビデンスを本事業において創出する。 【特色・独創性】 先行事業において多施設共同前向きコホート研究による患者レジストリと試料レポジトリ基盤が構築されている。当該疾患の国内最大の試料レポジトリを構築し,脳脊髄液・血液を用いた診断マーカーの開発を進める。本事業の特色は,統一した臨床・画像情報などを前向きに収集すると共に,臨床・画像情報が紐付けされた試料レポジトリを活用して当該疾患のバイーマーカーを開発することがあげられる。 【類似研究・競合に対する優位点・国際的に見た研究の立ち位置】 脳神経内科専門医が勤務する全国の医療施設をオールジャパン体制でネットワークを構築し,当該疾患の疾患レジストリと試料レポジトリのシステム基盤が構築されている点は優位性があると思われる。登録した症例を病理診断まで追跡するシステムにより,病理診断に基づいたデータ解析(autopsy-confirmed cohort)を行う取り組みは,国際的にみても先駆的であると思われる。本事業で立案するJALPAC研究は,患者レジストリと試料レポジトリの両方を備えた多施設共同前向きコホート研究として国際的にも注目されている。 【課題終了時に期待される成果】 本事業による多施設共同前向きコホート研究から得られる質の高い臨床情報,画像情報は当該疾患の診療の質を向上させるエビデンスの構築に貢献することが期待される。質の高い自然歴を把握することにより,疾患修飾候補薬の効果を評価する指標の設定が可能となる。また,質の高い試料レポジトリを構築することから,診断精度を向上させる有望な候補バイオマーカーを検証するシステムを提供することが可能である。 【将来展望】 本事業により得られた知見により,実臨床の現場における問題点を解決することが期待され,当該疾患の診療ガイドラインに反映させる。また,得られたデータや生体試料は,匿名性を担保しながら研究者間コミュニティにおいて共有し,有効に活用していく。インフォマティクス系の研究者と交流を行い,深層学習を用いた新たな観点からの成果を創出したい。進行性核上性麻痺を対象とした疾患修飾薬を用いた臨床治験が国内外で準備が進んでおり,本事業で構築される臨床研究ネットワークは,治験の実施基盤として発展させたい。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 進行性核上性麻痺/5,大脳皮質基底核変性症/7 | |
目標症例数 | 500 例 | |
登録済み症例数 | 350 例 | |
研究実施期間 | 2014年開始 | |
レジストリ名 | JALPAC | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;製造販売後調査への活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、出生情報、臨床情報、ゲノム情報など | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 事前協議が必要 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;髄液 | |
収集サンプル数 | 350 | |
生体試料の登録例数 | 500 | |
DNA登録例数 | 300 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 0 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 250 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 事前協議が必要 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
新潟大学 池内健 ikeuchi●bri.niigata-u.ac.jp |
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