項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 転写因子IRF5に注目した全身性エリテマトーデスの新しい病態解明 | |
研究代表者名 | 田村智彦 | |
研究代表者の所属機関名 | 公立大学法人横浜市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 全身性エリテマトーデス | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 全身性エリテマトーデス(SLE)は指定難病の自己免疫疾患である。病態の中心とされてきたI型インターフェロン(IFN)の受容体(IFNAR1)阻害抗体を含む現行治療でも,再燃や副作用が課題であり新規治療法が望まれる。本代表者らは2011〜17年度の文科省プログラムにおいて,マウスSLEモデルを用い,自然免疫応答を制御する転写因子IFN Regulatory Factor-5(IRF5)が有力な治療標的であることを示し(Ban et al,Immunity 2016),エーザイ株式会社と協働でIRF5阻害剤の大規模スクリーニングと合成展開ならびに作用機序解析を行った(2017〜19,20〜22年度のAMED免疫アレルギー疾患実用化研究事業)。また,ヒトSLEでは寛解期でもIRF5異常活性化が継続すること,マウスSLEモデルでIRF5の発現量の半減がI型IFNの完全阻害よりもはるかに強く発症を抑制しIRF5阻害が寛解維持に有効なことなど,IRF5阻害が現行治療法の限界を克服できる可能性を示した(Ban et al,Nat Commun 2021)。SLEではI型IFN誘導にIRF5が必須だが,IRF5によるI型IFN以外の遺伝子の発現制御が重要なことが確実となった。また、IRF5の作用全てがSLE病態形成に必要であるかは不明である。そこで本課題では,SLEにおいてIRF5がどの細胞種でどのようなI型IFN以外の標的遺伝子を持つのかを明らかにする。本課題でIRF5標的遺伝子を同定すれば,SLE病態の新しい核心的理解をもたらし,その遺伝子産物はIRF5と並ぶ治療標的となり,さらにはIRF5活性を反映するバイオマーカーとして患者層別化に役立つものと期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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