項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 視神経脊髄炎の個別化医療を目指した免疫寛容システムの解明 | |
研究代表者名 | 千原典夫 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人神戸大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 視神経脊髄炎 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | <研究の背景と必要性> 視神経脊髄炎(NMO)および多発性硬化症(MS)は臨床的に多様な症状と病態を呈する難治性神経疾患であり、中枢神経へ移行するT細胞を中心とした自己免疫と免疫寛容のバランスの破綻が病態の鍵と考えられている。数種類の疾患修飾薬の効果が確認されてきたが、病勢は個人差があり、一部の薬剤は非常に高額であることから医療経済的な観点を含めて個別化医療の必要性が叫ばれている。 <目的、ねらい> 本研究開発ではシステム生物学的手法を用いて、NMOにおける病原性T細胞が免疫寛容T細胞へ分化を遂げる制御因子の多様性とその役割を明らかにし、以下の方法でNMOの自己免疫寛容を誘導する新たな共抑制性受容体(co-inhibitory receptors: co-iRs)やその遺伝子発現制御転写因子を明らかにする。 1. NMO患者の中枢神経移行性T細胞をsingle cell RNA-seq解析し多様性のプロファイルを行う。 2. 申請者の同定したco-iRs発現遺伝子プログラム(co-inhibitory gene program: co-iGP)やinterferon-beta治療によってco-iRsが誘導されたMS患者由来のT細胞発現遺伝子群を用いて、NMOにおける免疫寛容の破綻機構を解明する。 3. NMOにおける自己免疫病態を反映したT-B細胞間分子回路を解明する。 第3年度は標的候補因子の機能解析を行う。 <特色・独創性・優位点> NMO病態では水チャネルAQP4を自己抗原としたT細胞およびB細胞が主体的な役割を果たすことが動物モデル等で示され、これまで申請者はNMO患者末梢血においてB細胞亜分画Plasmablasts(PB)が抗AQP4抗体を産生することを証明し(Chihara N, et al. PNAS, 2011)、その中枢移行動態や分化誘導の解析を行ってきた。一方で、PB分化の背景にある自己反応性T細胞の実態は不明である。申請者は動物モデルを用いて複数のT細胞機能低下状態に共通して認められる、共抑制性受容体(co-iRs)遺伝子発現プログラム(co-iGP)を発見した(Chihara N, et al. Nature, 2018)。本疾患の病態解明における実績と免疫学研究者としての背景を活かし国際的評価の高いNMO病態の理解につながる研究が展開できる。 <期待される成果と今後の展開> 本研究により、MS患者の病勢や治療反応性を反映したCD8陽性T細胞亜分画を同定し、その免疫制御機能を発見した。この遺伝子プログラムを用いて、MS/NMO間の多様な自己免疫病態の理解と画期的な個別化医療が実現し、患者負担・医療費負荷が軽減される。一方で、本研究がもたらす解析手法や新規治療標的は、免疫介在性の他の難治性疾患にも応用可能である。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 多発性硬化症/視神経脊髄炎/13 | |
目標症例数 | 180 例 | |
登録済み症例数 | 70 例 | |
研究実施期間 | 2021年6月21日~2026年3月31日 | |
レジストリ名 | 免疫性神経疾患の病態と神経変性過程の解明 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;試料採取;バイオマーカーの探索 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;細胞;髄液 | |
収集サンプル数 | 70 | |
生体試料の登録例数 | 70 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
担当者連絡先 | ||
国立大学法人神戸大学、千原典夫、chiharan●med.kobe-u.ac.jp |
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