項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 良質なエビデンスに基づく急性脳症の診療に向けた体制整備 | |
研究代表者名 | 水口雅 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 急性脳症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;疫学研究;ゲノム・オミックス解析研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 急性脳症は小児に多く発症する希少難治性疾患である。インフルエンザなどの感染症を契機に発症し、急性期には意識障害、けいれん重積などの重篤な症状を呈し、死亡例も少なくない。慢性期には知的障害、運動障害、てんかんなどの症状が長年にわたり持続する。急性脳症は急性壊死性脳症(ANE)、けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)、難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS)、脳梁膨大部脳症(MERS)など複数の症候群の集合体である。これらの症候群の間には病因、病態、症状に関して相違点と共通点があり、診療に関しても然りである。したがって、診断基準や治療指針に関しては、急性脳症全体に関する総論と個別の症候群に関する各論を作る必要がある。厚生労働科学研究(難治性疾患克服研究)急性脳症班では8年間にわたりこのミッションに沿った研究を推進し、急性脳症の全国実態調査(平成22年度施行)の成果を踏まえつつ「小児急性脳症診療ガイドライン2016」(日本小児神経学会監修、診断と治療社、東京、平成28年)、「小児けいれん重積治療ガイドライン」(日本小児神経学会監修、診断と治療社、東京、平成29年)の策定に導いた。これにより急性脳症とそれに伴うけいれん重積の診断基準と治療方針が明らかとなり、エビデンスに基づく診療の基盤が構築された。 急性脳症の研究については、日本は世界を断然リードしており、他国に類を見ない。しかしガイドラインの策定過程では、良質なエビデンスの乏しい現状が痛感された。今後、ANE、AESD、AERRPSといった難治かつ予後不良の症候群に対する新しい治療のエビデンスを蓄積することが不可欠である。またAESDに関しては発症直後における診断が困難という問題もあり、早期診断の基準の改良が急務である。本研究においては、これらの現状を踏まえ、まず平成29年度現在(前回調査から7年後)の急性脳症の実態を再調査し、最新の動向と課題を明らかにする。次にAESDの発症直後(第1病日)における診断スコアを検討、改良する。ANE、AESD、AERRPSに対して試みられている各種治療の効果について良質なエビデンスを得るための共同研究システムを整備する。これらの成果を踏まえて「小児急性脳症診療ガイドライン」改定の体制を構築し、新しいガイドラインにおけるクリニカルクエスチョン(CQ)を立てる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 痙攣重積型(二相性)急性脳症/129、難治頻回部分発作重積型急性脳炎/153、急性壊死性脳症、可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症、ライ症候群、出血性ショック脳症症候群、腸管出血性大腸菌感染症に併発する脳症 | |
目標症例数 | 700 | |
登録済み症例数 | 500 | |
研究実施期間 | 2010年4月?2021年3月 | |
レジストリ名 | 急性脳症の包括的遺伝子解析 | |
レジストリの目的 | 疫学研究;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 候補遺伝子の解析、遺伝子型と表現型の相関 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA | |
収集サンプル数 | 500 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京大学医学部発達医科学 水口 雅 mizuguchi-tky●umin.net |
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