項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 自然免疫異常を介した川崎病冠動脈病変発症機序の解明 | |
研究代表者名 | 岡田清吾 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人 山口大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 川崎病性冠動脈瘤 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 川崎病は4歳未満の乳幼児に好発する原因不明の全身性血管炎である。特に冠動脈に強い炎症が生じることが特徴であり、冠動脈病変(拡大・瘤化)を形成した場合、若年突然死の原因となる。川崎病標準的治療は長年免疫グロブリン静注(IVIG)療法およびアスピリン内服であったが、現在ではステロイド、抗ヒト腫瘍壊死因子(TNF)-αモノクローナル抗体製剤(インフリキシマブ)、シクロスポリンなど複数の抗炎症療法が治療選択肢となっている。現行の治療法は冠動脈病変を抑制することを主目的とした抗炎症療法であり、個々の症例に応じた適切な抗炎症療法が行われることが望ましい。近年、川崎病発症機序として自然免疫説が注目されている。これは微生物由来の病原体関連分子パターン(PAMPs)や傷害細胞由来の分子(alarmin)がパターン認識受容体に作用し、TNF-αを中心としたサイトカインの過剰放出が生じた結果、全身性血管炎が生じるという仮説である。 本研究ではin vitroおよびin vivo実験を通して川崎病冠動脈病変を誘発するalarminを同定し、それら候補alarminに対する特異的治療法の確立を目指す。まず川崎病冠動脈病変発症群および非発症群の患者血清を液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)法で解析し、候補alarminの網羅的探索を行う。次にLC/MS法で抽出した候補alarminを用いて培養ヒト冠動脈細胞(内皮細胞および平滑筋細胞)を刺激し、上清中の炎症性サイトカイン濃度および冠動脈細胞から放出されるalarmin濃度、およびこれらサイトカインやalarminの遺伝子発現を解析する。さらに候補alarminに対する阻害薬/特異的抗体で培養細胞をプレトリートメントし、冠動脈炎抑制効果をin vitroで確認する。in vitro実験で予想通りの結果が得られた際は、川崎病類似血管炎モデルマウスおよび川崎病剖検例の冠動脈組織を用いて候補alarminの組織発現およびalarmin阻害薬/特異的抗体の効果を確認する。最終的には臨床試験を実施し、実際の川崎病患者における候補alarmin阻害薬/特異的抗体の効果を確認する。さらに本申請課題では副次的研究として過去の川崎病患者データから機械学習を用いて判別モデルを作成し、新規分子標的治療法の至適患者群同定を試みる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清 | |
収集サンプル数 | 0 | |
生体試料の登録例数 | 0 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | 0 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 0 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
国立大学法人 山口大学 総合周産期母子医療センター、岡田 清吾、okadas●yamaguchi-u.ac.jp |
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