項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 臨床開発を目指したベッカー型筋ジストロフィーの自然歴調査研究 | |
研究代表者名 | 中村昭則 | |
研究代表者の所属機関名 | NHOまつもと医療センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | ベッカー型筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)はデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と同じDMD遺伝子の変異により筋形質膜に局在するジストロフィンが欠損して発症する予後不良の疾患である。DMDではアミノ酸の読み取り枠がずれる変異のためジストロフィンが完全に欠損するが、BMDではアミノ酸の読み取り枠が保たれる変異であるために不完全ながらもジストロフィンが産生され、骨格筋障害は軽症である。しかしながら、表現型や重症度は患者間で大きく異なり(Nakamura A, et al. J Hum Genet, 2016)、中には心筋障害が前景に立ち心不全から心移植に至る例も報告されている(Nakamura A. Pharmaceuticals, 2015)が、根本治療の提案がないが故に定期的フォローが十分には行われていない。また、近年では発症前に高クレアチンキナーゼ(CK)血症によりBMDの診断を受ける患者が増加しているが、遺伝子型—表現型の関連性が不明であり早期診断の利点が生かされていない。さらに知的発達障害やてんかんなどの中枢神経障害を併発する例が少なくないが、その発生頻度や遺伝子型との関連性も未だ不明である。一方、DMDで臨床応用が進められているエクソン・スキップ治療はDMDをBMDに変換する治療法であるため、治療開発戦略にはBMDの自然歴情報が必要である(Nakamura A, et al. J Hum Genet, 2017)。そこで、これらの課題を解決するために、平成30年~令和2年度AMED難治性疾患実用化研究事業(エビデンス創出)の中で筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク(MDCTN)加盟22施設によるBMD自然歴調査研究を実施した。319名BMD患者の遺伝子変異情報とカルテ等の資料から臨床情報を収集し、内正確な遺伝子情報が得られた305名のBMD患者データを元に患者属性、骨格筋・呼吸機能・心機能・中枢神経障害の各表現型の解析と遺伝子型との関連について解析を行い、その成果をAnnals of Clinical and Translational Neurologyに投稿し現在リバイス中である。(ファイル名:ACN3-2023-09-0774)しかし、後ろ向き研究のため客観的かつ共通の運動機能評価が困難できていないことや骨格筋障害のバイオマーカーも血清CK値しか得られていなかった。そこで、同研究では各機関で実施可能な共通の運動機能評価法および血清CK値に代わるバイオマーカーである尿中タイチン値を前向き研究として開始し、筋脳画像(CT/MRI)データが新たなバイオマーカーとなる可能性について検討を行った。これらの成果がBMDのケアおよび治療法開発につながることが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | BMD/113 | |
目標症例数 | 200 例 | |
登録済み症例数 | 350 例 | |
研究実施期間 | 2018年9月1日~継続 | |
レジストリ名 | なし | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;バイオマーカーの探索;主治医への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 現時点では不可ですが、将来的には可と考えています。 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 研究チームで協議後、倫理委員会の承認を得て提供する | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 尿 | |
生体試料の登録例数 | 80 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
NHOまつもと医療センター 中村昭則 anankamu●shinshu-u.ac.jp |
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