項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 脊髄性筋萎縮症の成人期予後把握を目的とした多施設共同コホート研究 | |
研究代表者名 | 勝野雅央 | |
研究代表者の所属機関名 | 名古屋大学大学院医学研究科 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 脊髄性筋萎縮症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 脊髄性筋萎縮症(SMA)はSMN1遺伝子欠失によるSMNタンパク質の欠乏により、運動ニューロン変性に伴い筋力低下をきたす、希少ではあるが乳児死亡最多の遺伝性疾患である。最も多い重症のI型は生後半年までに発症し、それ以外の型においても筋萎縮、脊柱変形や関節拘縮、経管栄養・人工呼吸管理などにより、終生、生活上困難を余儀なくされる。ヒトはSMN1の重複遺伝子であるSMN2も有するが、自身のエクソン7の選択的スプライシングにより、SMN1欠失によるSMN不足を補うことができない。ただしSMN2は疾患修飾遺伝子として働き、そのコピー数が多い程SMAが軽症化することが知られるが、各病型間のコピー数の重複もみられており、さらなる修飾因子の存在が強く示唆されている。 核酸医薬であるヌシネルセンは中枢神経組織にてSMN2スプライシングを是正し、乳幼児・小児患者を対象とした臨床試験において、生命予後や運動機能獲得に対し明確な効果を示し、SMA初の疾患修飾薬として全SMAの型に対し近年認可に至っている。また追加の治療介入試験の結果も踏まえ、発症前乳幼児に対してなど早期治療開始の重要性が認識されている。 一方、慢性進行例や成人移行例を含めた成人患者に対しても、ヌシネルセンはその効能より治療上有用であると想定されているが、成人患者に対する有効性の証明は十分になされていない。むしろ実臨床では、成人患者では効果が見出されにくいことが指摘され、その見極めにも疾患重症度や薬効判定のためのバイオマーカーの創出が求められている。ヌシネルセンに続き、2歳未満の患者に対しアデノ随伴ウイルスベクターによる遺伝子治療や、2ヶ月齢以降の患者に対しスプライシング修飾剤リスジプラムもFDA承認に至っている。さらに医療的ケア、リハビリテーションの向上もあり、SMA生命予後が今後大きく改善し、成人患者の増加が見込まれており、成人期治療およびその適応のエビデンスの創出が求められている。 そこで本研究開発では、別研究として進められている成人SMAレジストリ研究と並行して多施設共同により生体試料レポジトリの構築を進め、臨床情報と紐付けてのバイオマーカーの開発を進め、治療薬適正使用指針の提示を目指す。さらにバイオマーカーの知見より、重症度・治療予後を規定する新規疾患修飾因子の探索を行い、運動ニューロン病態の解明につなげていく。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;細胞;髄液;尿 | |
収集サンプル数 | 40 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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