項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 胆道閉鎖症診療ガイドライン改定を目指したエビデンス創出研究 | |
研究代表者名 | 仁尾正記 | |
研究代表者の所属機関名 | 東北大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 胆道閉鎖症 | |
研究のフェーズ | 臨床試験;疫学研究 | |
研究概要 | 胆道閉鎖症(以下本症)は乳児期早期までに胆道の完全閉塞を来し、その半数以上が乳幼児期から青年期に肝移植の適応となるもっとも代表的な難治性疾患である。肝移植の普及により救命率は向上しているが、30歳以降までの自己肝生存率は20-30%で、トランジションや医療経済面でもきわめて大きな課題を有する疾患といえる。病因は不明で予防法もなく、病態や肉眼的形態もきわめて重症かつ多彩である。発生頻度は、欧米の1万5千から1万8千出生に一人に対して、本邦ではおよそ9千出生に一人である。また治療成績も異なり、黄疸消失率は本邦では6割程度、欧米は5割程度との報告が多い。 本症の治療成績向上を目指して、厚生労働科学研究「難治性疾患等政策研究事業」の枠組みで「胆道閉鎖症診療ガイドライン」が完成間近である。このガイドランはMindsによる「診療ガイドラインの手引き2014」に準拠して、日本胆道閉鎖症研究会が作成主体となり、多くの関連学会・研究会との連携のもとに作成され、現在本邦で胆道閉鎖症を専門的に扱うほぼすべての研究者・医療者のコンセンサスを統合したものといえる。今後本ガイドライン改定作業を行うことが予定されており、本研究計画では、このガイドライン作成チームと連携して改定版の目指す方向を確認し、そのためのエビデンスの創出を目的とするものである。具体的には、本症の早期発見、葛西手術時の肉眼的形態(胆道造影所見等を含む)、病理学的所見、手術療法および術後療法等についてのエビデンスの創出が必要との了解が得られている。本研究は、難治性疾患政策研究班および関連・学会・研究会・研究グループ、さらに患者団体(胆道閉鎖症のこどもを守る会)との連携・協力のもとに構築された研究組織で行われる点も特徴といえる、 本研究は、2017年度から3年計画で実施予定であり、ここで得られた新たなエビデンスの下で、難治性疾患政策研究班により適正なガイドライン改定(2021年完成予定)が行われることが期待される。 いずれの領域に於いても、初年度は胆道閉鎖症全国登録(Japanese Biliary Atresia Registry,JBAR)のデータあるいはその基盤である日本胆道閉鎖症研究会の施設会員の枠組みを利用した後方視的検討を行う。これを基礎的研究結果として2年目から前方視的検討を行う。3年目には過去2年の研究結果を総括して、それぞれの領域に於いて、ガイドライン改定に資するようなエビデンスへまとめていく計画である。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 胆道閉鎖症/296 | |
目標症例数 | 目標数の設定なし | |
登録済み症例数 | 3200 | |
研究実施期間 | 1989年1月~ | |
レジストリ名 | 胆道閉鎖症全国登録事業 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究 | |
調査項目 | 妊娠歴・家族歴、周生期歴、診断、初回手術ならびにその所見、術後経過、初回手術後6ヶ月の経過、再手術、初回登録時転帰、年次の生死と肝移植の有無、 1年目、5年目および以後5年ごとの追跡調査、肝移植時の移植状況調査 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 登録運営管理委員会で協議の後、承認が得られればデータセンターで解析を行い、解析結果のみを提供する | |
レジストリURL | https://jbas.net/registration/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;組織 | |
収集サンプル数 | 10 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東北大学病院 小児外科、佐々木英之、h-sasaki●ped-surg.med.tohoku.ac.jp |
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