項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 肺静脈閉塞症の鍵となる炎症性サイトカインを標的とした新規治療法の開発 | |
研究代表者名 | 中岡良和 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症(厚労省指定難病告知番号87) | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 肺静脈閉塞症(pulmonary veno-occlusive disease:PVOD)は非常に稀少な疾患で、治療抵抗性で非常に予後不良である。病態的には肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)と類似して、現在でも確定診断は肺組織の病理診断によってのみ可能であるため、特発性PAHと診断されていることが多い。PVODに対しては抗PAH薬による治療が対症療法的に行われることが多いが、多くのPVOD症例は治療経過で悪化して2年以内に死亡する事が多いとされ、肺移植が唯一の完治を望める治療法となっている。研究開発代表者らは、抗がん剤のマイトマイシンC(MMC)によるPVODモデルラットの系で、IL-21受容体欠損(IL-21RKO)ラットが野生型に比して顕著にPVOD病態が抑制されること、IL-21アプタマー(核酸医薬)の投与によって病態抑制が可能である可能性をこれまでに見出している。臨床的には、血漿中のIL-21濃度はPVOD患者で健常者よりも有意に上昇していること、さらにヒトPVDO患者剖検肺でIL-21陽性の炎症細胞が閉塞静脈病変周囲に集簇していることをこれまで見出している(特許出願準備中、論文投稿準備中)。これらの結果を踏まえて、本研究では以下の開発項目を進める予定である。開発項目1~4でPVODモデル動物でのIL-21シグナル阻害(IL-21RKOや薬理学的阻害)の影響に関する解析、IL-21シグナル阻害の治療においては予防的プロトコールと治療的プロトコールの効果検討、更にはPAH治療薬(既存治療薬)との併用効果を検討し、開発項目5ではIL-21シグナルに着目したヒトPVOD検体を用いたコンパニオン診断法の開発を、R5年度~R7年度において進める予定である。本研究課題の遂行により、IL-21阻害のPVOD病態に対する有効性を明らかにすることが出来れば、治療薬がほぼ存在していないUnmet needsの高いPVOD患者に対してIL-21阻害療法を新規治療法として展開する基盤が整うことが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;便 | |
生体試料の登録例数 | 300 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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