項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 肺動脈性肺高血圧症に対する治療薬としての TRPC3/6阻害薬L862の有効性についての治験準備 | |
研究代表者名 | 桑原宏一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 信州大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺動脈性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 本研究課題の目的は、新規TRPC3/6阻害薬L862の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬としての効果をin vitro 及びin vivoで更に検討しそのpreclinical POCをより強固なものとし、一方で、L862についてGLP対応の各種安全性試験並びに信頼性基準に基づいた種々の薬効薬理試験を実施することによって、L862のPAH治療薬として臨床応用に向けて、その臨床治験に進めるための準備を行うものである。今期の成果として以下のものが挙げられる。 ・PAHモデルラットにてL862 (5 mg/kg/day)は生存期間を延長し、肺組織にて炎症性サイトカイン発現ならびに線維化を抑制した。 ・心不全モデルマウスにてL862 (5 mg/kg/day)は心機能低下を抑制した。 ・hTRPC6及びC3阻害作用を改良アッセイ系を用いて評価したところ、それぞれL862のIC50値は34, 86 nMであった。 ・Eurofines社Spectrum Screen Panel (169種の受容体、酵素等)アッセイを実施し、L862のTRPC3/6に対する高い選択性が確認できた。 ・イヌTK試験を実施した。 ・L862のGLP用サンプル製造を実施し、純度99.4%で5.4 kgのL862を取得した。 令和4年度の成果としては以下のものが挙げられる。 ・PAHモデルの標準モデルとされるsugen/hypoxiaラットPAHモデルを作成した。 ・上記モデルにて、L862は3 mg/kgの混じ後投与(介入試験)で強力に肺高血圧を抑制した(CROに技術トランスファーして実施)。現在、申請用に信頼性基準にて同用量依存試験を実施中。 ・L862の他のTRP channelファミリーに対する親和性試験を実施。結果、L862のTRPC3/6に対する高い選択性が確認できた。 ・GLP対応ラット4W反復投与毒性試験TK試験を実施し、投与が終了した。現在、データを解析中。 ・GLP対応安全性薬理試験ラット呼吸系試験を実施し、投与を終了した。 ・心不全の予防および/または治療用医薬組成物に関する外国出願(PCT/JP2022/046460)を1月10日に実施した。 ・L862を含む物質特許「ベンゾイソキサゾール化合物」が日本(JP7175481)および米国(US17050070)で登録され、欧州、中国で審査中。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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