項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 肺内皮細胞の老化シグナル活性化による肺動脈性肺高血圧症の進展機序の解明 | |
研究代表者名 | 武田憲文 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺動脈性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary arterial hypertension:PAH)は、肺動脈圧の上昇とともに呼吸・循環不全が進行する希少難病であるが、ヒトPAHの遺伝要因・重症度を反映するマウスモデルがなく、発症や進展メカニズムの解明は未だ不十分である。最近、申請者らはマウスの肺葉全体(貫壁性)の微小構造を三次元で可視化するシステムを開発し、低酸素負荷(肺高血圧PHモデル)への代償期反応およびその破綻に伴う重症化と関連する表現型を見出し、これに転写共役因子PGC1αが重要な役割を担う可能性を見出した。PAH発症浸透率が高いBMPR2遺伝子変異を導入したノックインマウス(Bmpr2-KIマウス)を作成したところ正常〜軽度PHを呈するのみであったが、肺内皮細胞特異的にPgc1αを欠損させると(Bmpr2-KI;eKO)、従来報告のない通常酸素下で右室圧60mmHgまでの高度PHを呈する個体が現れた。病理所見では、血管閉塞病変が出現し血管腫様またはがん腫様の毛細血管増生病変を遍在性に伴っており、ヒトPAHの重症所見(叢状病変)を世界で初めてマウスで再現できた可能性が高く、内皮細胞にDNAダメージおよび老化シグナル亢進などの所見が認められた。PGC1α機能の低下は内皮機能の低下や老化と強く関連しPAH病態の進展に強く寄与する可能性がある。 本課題では、PAHの病的遺伝子変異を反映して通常酸素下で重度のPHを発症し、内皮細胞の奇異な増殖パターンを伴う閉塞病変(叢状病変様)を持つBmpr2-KI;eKOマウスを新たなPAH疾患モデルマウスとして提唱・確立する。次に、申請者らの研究グループで既に確立した、シングルセル/核マルチオミックス解析や三次元病理解析システムを用いて、PAH発症・進展に関わる老化・ストレス応答システムの分子基盤の解明、特に代償期から非代償期(悪化)への起点となる分枝点を同定し、新たな治療標的因子やシグナル伝達機構を同定する。さらに、多くの重症PAH患者診療を行い、肺移植実施施設である当院の特徴を生かし、肺移植時のヒトPAH患者(レシピエント)の生体試料(肺移植時に採取、肺・血液等)を用いて、新規PAHマウスとの類似点・相違点も検証し、将来的にヒト試料(生検)を用いた病期(活動性)の推定や治療方法の選択ならびに創薬研究に役立つシーズの開発を目指す。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | 10 例 | |
登録済み症例数 | 4 例 | |
研究実施期間 | 2023年4月~2026年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | マウスモデルで得られた病態分子シグナルについて、ヒト残余検体で検証する目的 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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