項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 網膜色素変性の進行を抑制するスタチン封入ナノ粒子薬の開発 | |
研究代表者名 | 村上祐介 | |
研究代表者の所属機関名 | 九州大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 網膜色素変性症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
研究概要 | 【研究の背景】 網膜色素変性(RP)は遺伝性の網膜変性疾患で、我が国の失明原因の第2位を占める難病である。RPは杆体視細胞に関連する遺伝子変異によって発症するが、その進展には炎症などの微小環境因子が関与する。病態介入により網膜変性の進行が抑制されれば、RP患者の社会的失明を防ぎ、その生活・人生に大きな光を灯すことができる。 【目的・ねらい】 我々はSENTAN Pharma(株)と共同で、RPの進行を抑制するスタチン封入ナノ粒子薬を開発している。これまでの研究において、静脈内投与されたピタバスタチン封入ナノ粒子は、我々が同定したRP増悪因子である「末梢血の炎症性単球」ならびに「単球由来マクロファージ」の活性を抑制し、RPモデル動物の網膜変性を大きく抑制した。スタチンは本来のLDLコレステロール低下作用とは別に、高濃度で抗炎症作用を有するが、高用量内服には重篤な副作用が伴う。我々のナノ粒子は、炎症性単球に効率的に薬剤を送達することが可能であり、スタチンの投与量を抑制しながら強力な抗炎症作用が得られる。 【特色】 ピタバスタチンとPLGAナノ粒子は、それぞれ医薬品として上市されている。ピタバスタチン封入ナノ粒子についても循環器領域で先行開発がなされ、健常者を対象としたPhase 1試験が終了している。対象の背景や投与法(静脈内投与)は同等であり、RPへの応用を迅速かつ低予算で行うことができる。 【優位性・国際的な立ち位置】 遺伝子治療の開発が進められているが、RPの原因遺伝子は90種類以上と多様であることから、対象者が限定される。一方、「炎症」などのRPに共通する病態を標的とした治療法は、原因遺伝子に関わらず多くの患者が対象となる。RPの進行を抑制する薬剤は国際的にも存在せず、本ナノ粒子の有効性が証明されれば治療の第一選択肢となりうる。 【期待される成果】 本研究では① 最適な投与プロトコルの決定(RP モデルマウス、用法用量設定試験(R3-4年度)、②網膜への薬物動態試験(R3-4年度)、③ GLP基準長期反復投与毒性試験(R4-5年度)④ GMP基準ナノ粒子薬の大量製造(R5年度)を行い、非臨床POCを取得する。薬事相談や臨床情報整理、治験準備を併行して進め、R6年度からPhase 1/2a医師主導治験を開始する。 【将来展望】 RPの進行を抑制する新薬としてピタバスタチン封入ナノ粒子を国内外へ展開する。また加齢黄斑変性など他の網膜変性疾患への応用を進める。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 網膜色素変性症/90 | |
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 71 例 | |
研究実施期間 | 2021年10月〜2024年10月 | |
レジストリ名 | RP-PRIMARY Study | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | レジストリ運営委員会で協議し、研究代表者の承認後に提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA | |
生体試料の登録例数 | 71 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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