項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 網膜色素変性に対するBranched chain amino acidsを用いた新規神経保護治療法開発 | |
研究代表者名 | 池田華子 | |
研究代表者の所属機関名 | 京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 網膜色素変性 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | 網膜色素変性は、網膜の視細胞が徐々に変性し、視力が低下する疾患であり、日本の中途失明の主な原因の一つとなっている。有効な治療法のない希少難治性疾患で、視機能の悪化を予防する新治療法の開発が切望されている。 Branched chain amino acids(BCAA, 分岐鎖アミノ酸)は、リーバクト®配合剤として肝硬変患者の低アルブミン血症の改善に内服薬として用いられている。我々は現EAファーマとの共同研究において、リーバクト®配合剤と同一組成のBCAAが視細胞障害原因の1つとされる小胞体ストレス下の細胞死抑制作用、網膜色素変性モデルマウスでの視細胞変性や視機能低下の抑制作用に基づく網膜保護作用を持つことを、初めて明らかにした。網膜色素変性に対して、海外でCNTF等の徐放カプセルを硝子体内に手術的に留置する治験が行われたが、明らかな治療効果は認められていない。BCAA配合剤は、侵襲性の高い硝子体内投与剤と比較して経口投与可能で服薬アドヒアランスに優れ、長期経口投与の実績があり高い安全性を有するため、新規の網膜保護薬として失明を予防する第一選択薬になる可能性がある。これまでに、橋渡し研究加速シーズとして支援を得て(A45、B27、C26)非臨床エビデンスを積み増すとともに、用途特出願、治験薬概要書作成、薬事戦略相談事前面談などを行ってきた。 本研究では、網膜色素変性患者を対象に、BCAA配合剤の疾患進行抑制効果を検討する、医師主導治験(第Ⅱ相試験)を行う。H30年度、PMDA事前面談・対面助言を受け、試験プロトコルを作成、院内IRBにて承認をうけ、治験届を提出、患者登録を開始した。R1年度、AMED難治性疾患克服研究事業で構築中の疾患レジストリを活用し組み入れを完了し、試験治療、経過観察を続行中である。R2年度、第2Qまでに、最終患者の経過観察を終え、視野や視力、光干渉断層計などを用いた網膜構造に対する治療効果を評価し、ドラッグ・リポジショニングによる臨床POC取得を目指す。 対照群に対してBCAA投与群で優位に視機能低下が抑制されるという治験結果を取得し、本事業終了後に千寿製薬にて次相治験を実施、承認申請を目指す。本事業により網膜色素変性において医師主導治験の実施が進めば、国内初の治療薬として中途失明の減少に大きく寄与することが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 網膜色素変性症/90 | |
目標症例数 | 70 例 | |
登録済み症例数 | 70 例 | |
研究実施期間 | 2016年2月12日~2020年12月31日 | |
レジストリ名 | 進行期網膜色素変性患者レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用 | |
調査項目 | 年齢、性別、視力、網膜構造等 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA | |
収集サンプル数 | 1150 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 遺伝子/網膜色素変性/90 |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 研究室内 | |
保険収載の有無 | なし | |
検査実施費用の確保方法 | 研究費(AMED);研究費(文部科学省の科学研究費) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断 | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | 京都大学 池田華子 hanakoi●kuhp.kyoto-u.ac.jpまで相談 | |
担当者連絡先 | ||
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