項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 網膜色素変性に対する視細胞保護遺伝子治療の医師主導治験 | |
研究代表者名 | 池田康博 | |
研究代表者の所属機関名 | 宮崎大学医学部眼科学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 網膜色素変性 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | 研究の背景: 本研究で対象とする網膜色素変性(RP)は、我が国の中途失明原因の第2位で、未だ有効な治療法がなく、新規治療法開発が最も望まれる難治性疾患である。研究代表者らがこれまでに実施した、視細胞保護遺伝子治療の前臨床研究ならびに臨床研究で得られた知見をさらに発展させ、H31年2月より医師主導治験(Phase I/IIa)を開始し、これまでに全12症例中7例への投与が終了した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響に伴い、治験実施施設である九州大学病院、ならびに宮崎大学医学部附属病院における受診患者数の大幅な減少等により、計画を変更せざるを得ず、年度内に事業を完了することが困難となった。R3年度に研究費を繰越し、当初の目標を達成する。 目的・ねらい: 本研究では、医師主導治験を実施し、企業への導出ならびに次相に向けた準備を整えることを目的とする。具体的には、以下のテーマを実施する。 (1) 医師主導治験の実施 (2) 治験業務準備・支援ならびにプロジェクトマネジメント (3) 治験製品管理と臨床サンプル解析 特色・独創性、類似研究・競合に対する優位点、国際的に見た研究の立ち位置: 本研究はレンチウイルスベクター使用において国内初であり、国際的にも同範疇のベクターの臨床応用は少ないため、国内外からの注目度は高い。また、欧米では、レーバー先天盲などの遺伝性網膜変性疾患に対して正常遺伝子を補充する遺伝子治療が臨床応用され、安全性と有用性が報告されるようになったが、視細胞保護を目指した遺伝子治療の臨床応用の報告はない。さらに、使用するSIVベクターは安全性が高く、九州大学と株式会社IDファーマとの共同研究により開発された国産ベクターであり、特許も取得されている。また、カルタヘナ1種の修正申請により、遺伝子治療室での管理などの制限が緩和されたため、一般の医療機関での投与が可能となった。 必要性、成果・将来展望: RPは希少疾患であり、慢性疾患のため、企業治験は現状では困難と予想される。薬事承認取得には、医師主導治験の実施は必要不可欠である。また、神経栄養因子による神経保護という治療戦略から、中途失明原因の第1位である「緑内障」へと応用できる可能性が高く、治療製剤として実用化を目指す価値は高い。本研究ではSIVベクターという国産技術を基盤に進めることで多数の特許を生み、“我が国発の創薬”として保険医療分野に果たす役割は大きい。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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