項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 精緻エピゲノム解析技術開発とIRUD未解明症例への応用 | |
研究代表者名 | 秦健一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 希少難治性疾患(IRUD未解明症例、エピゲノム異常候補症例) | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | 難病・希少疾患の病態解明は、いわゆるショートリードの次世代シークエンサーの普及と共に顕著な成功をおさめたが、一方で未だ多くの症例が診断や病因病態解明に至らないことは、解決すべき喫緊の課題として認識されている。これら未解明症例の一部は、反復配列領域や複雑な染色体構造異常などに病因を有し、ロングリードシークエンサー解析が有効と推測される。その他、エピゲノム異常や、標的臓器の精緻なトランスクリプトームなどの情報を併用した統合解析からのアプローチも重要なことは論を俟たない。例えば、ゲノム変異ではなくエピゲノム変異(エピバリアント)によって発症した常染色体劣性遺伝病(Nat Commun, 2018, PMID: 29302025)やがんの発症例(AJHG 2018, PMID: 30075112 , Nat Commun. 2018, PMID: 29396438)が報告された。あるいは、神経発達障害や先天奇形を伴う症例には、直接の病因ではなくても各疾患に特徴的なエピゲノムパターンを有していることが最近複数報告され、これらの特徴を「エピジェネティックシグナチャー」(以降、エピシグナチャーと略記)とする概念が提唱されている。実際に申請者らは、IRUD症例のエピシグナチャーをゲノム情報と併せて検証することで確定診断に至った症例を経験している(後述、論文投稿中)。さらに最近Aref-Eshghiらは、965例の神経発達障害/先天奇形症例のエピシグナチャーを再解析し、約13.7%で確定診断や病態の理解に有用な知見が新たに得られたと報告した(AJHG 2019, PMID:30929737)。またエピシグナチャーは、疾患標的臓器以外でも観察されるため、末梢血(白血球)で測定評価可能であり、診断システムとして十分な実用性を有する。 代表者および分担研究者らはこれまで、IRUD解析センターおよび拠点病院として様々な疾患のゲノム解析を進め、ゲノム解析だけでは確定診断に至らない症例を集積してきた。しかし我々を含め国内外で、ゲノム解析後も未診断の例に対する系統的なトランスオミックス解析(特にエピゲノム解析)が行われている事例はほとんどない。IRUDで行われた精度の高い臨床診断やゲノム解析で病因病態解明に至らなかった症例には、エピゲノム変異による遺伝子機能異常を有する症例が濃縮されていると考えられ、その一部にはオミックス統合解析のアプローチが有効であると期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | IRUD後診断未確定症例 | |
目標症例数 | 50 例 | |
登録済み症例数 | 50 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | MGeNDに登録予定、成育バイオバンクに登録 | |
レジストリの目的 | バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究 | |
調査項目 | 診断名、家族歴、出生情報、臨床情報、ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | https://ncbiobank.org/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA | |
収集サンプル数 | 50 | |
生体試料の登録例数 | 50 | |
DNA登録例数 | 50 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 50 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 50 | |
外部バンクへの寄託 | 成育バイオバンク | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
担当者連絡先 | ||
国立研究開発法人国立成育医療研究センター 周産期病態研究部、秦健一郎、hata-k●ncchd.go.jp |
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