項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 福山型筋ジストロフィー重症型深部イントロン変異に対する 新規キメラRNA分子を用いた本邦発エクソン・スキップ療法 | |
研究代表者名 | 池田真理子 | |
研究代表者の所属機関名 | 藤田医科大学病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 福山型筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は本邦に患者の多い、目、筋、脳に症状をきたす重度の難病である。患者の大多数では原因遺伝子FKTNへのトランスポゾン挿入変異が見られるが、申請者の池田らはこの挿入がFKTN pre-mRNAのスプライシング異常を引き起こし、その結果、正常なフクチンタンパク質が作られなくなることが疾患の原因であることを明らかにした(Taniguchi-Ikeda et al., Nature 2011)。研究室独自に作製したモデル動物でもその効果が証明され(Kanagawa et al., Hum Mol. Genet 2006)この発見に基づいてアンチセンス核酸治療の可能性を提唱し、治療法開発を製薬企業と共同開発してきた。アンチセンス核酸医薬のfirst in human の臨床試験は2021年より開始されており、有効性が確認されている。また、FCMDの患者の中で2番目に多い重症型の複合ヘテロ型変異(深部イントロン変異)では、FKTN mRNAに偽エクソンが挿入されることでナンセンス変異が生じ、結果としてmRNAが分解に導かれることで疾患に至る(Lim et al., Neurromuscl Disord 2010)。申請者は独自に作製した細胞を用いた実験系を用い、本変異に対してもアンチセンス核酸を用いたエクソン・スキップ療法が可能であることを報告した(Enkhjargal,others, Taniguchi-Ikeda(責任著者)et al., Hum Mol Genet 2022)。申請者はこれまでにSVA挿入型モデルマウス作製や、深部イントロン変異をもつ患者由来iPS細胞を独自に樹立し、iPS細胞から骨格筋・大脳皮質への分化誘導技術を取得してきた(Taniguchi-Ikeda, et al.,iScience 2021 )。ごく最近、分担研究者である芳本と中川は、マウス特異的なノンコーディング RNAである4.5SH RNAが、レトロトランスポゾン由来の致死性の異常エクソンをスキップさせる天然の遺伝子治療薬として働くことを明らかにした(Yoshimoto et al. Mol Cell 2023)。また、4.5SHは標的を認識する領域と、エクソン・スキップを誘導するエフェクターと結合する領域に分かれており、標的認識配列を入れ換えることで、任意のエクソンをスキップさせる人工RNA分子を設計することができることを発見、証明した。このような人工キメラRNAは、アンチセンス核酸医薬とは異なり、遺伝子発現ベクターに搭載して細胞内で持続的に発現させることが可能である。また、標的認識配列が長く、オフターゲット効果が低いうえ、配列のデザインも容易である。本課題ではこの革新的な新規モダリティーを用いた治療法の臨床応用を目指し、新規キメラ分子の細胞モデルでの治療効果を判定するほか、独自にモデル動物を作製し、in vivoでの治療効果を検証する。本課題により、長期にわたり効果が持続する全く新しいエクソン・スキップ療法への道が開かれる。 | |
レジストリ情報 | ||
レジストリ名 | 筋ジストロフィー協会 | |
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | 500 例 | |
登録済み症例数 | 50 例 | |
研究実施期間 | ||
関連学会との連携の有無 | 検討中 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;治験またはその他の介入研究へのリクルート;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;主治医への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
所属機関名、氏名、メールアドレス |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。