項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 福山型筋ジストロフィーおよび類縁の糖鎖異常型筋ジストロフィーに対する糖鎖補充療法の開発 | |
研究代表者名 | 金川基 | |
研究代表者の所属機関名 | 愛媛大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は、重度の筋ジストロフィーに加え、脳奇形や精神発達遅滞等の中枢神経障害、心筋症を伴う常染色体性劣性遺伝性疾患で、日本人に特有の疾患である。本疾患に対する有効な治療法は存在しない。原因遺伝子はフクチンで、保因者頻度は1/90人、患者数は1,000-2,000人ほどと推定される。FCMDでは基底膜ラミニンの受容体であるジストログリカン(DG)の糖鎖に異常が生じている。同様の糖鎖異常を示す筋ジストロフィーも世界的にみられ、DG異常症と総称されており、その患者数は5,000人以上と試算される。 申請者らは、DG糖鎖にはリビトールリン酸という新規の修飾体が含まれており、フクチンは糖鎖にリビトールリン酸を組み込む酵素、DG異常症遺伝子のひとつISPDはリビトールリン酸の糖鎖前駆体CDP-リビトールの合成酵素であることを解明した。つまり、リビトールリン酸糖鎖の欠落によって、ラミニン結合性の糖鎖が伸長できず、基底膜-細胞膜の連携が破綻することが発症要因となる。また、DG異常症モデルマウスを作出し、リビトールリン酸糖鎖の欠落から筋ジストロフィーや脳奇形、心筋症に至るメカニズムを明らかにしてきた。加えて、本疾患群に対して遺伝子治療が有効であること、また、糖鎖前駆体CDP-リビトールのプロドラッグ体が糖鎖回復に効果的であることも実証している。 本計画では、FCMDを代表とするDG異常症で欠落しており、発症要因となるリビトールリン酸糖鎖を補充することが可能な医薬品シーズを見出すことを目的とする。糖鎖補充を可能とする開発候補物として、①糖鎖遺伝子(フクチン)補充療法用アデノ随伴ウイルスベクター、②糖鎖前駆体(CDP-リビトール)補充療法用プロドラッグ化合物を提案する。これらのシーズ評価としてフクチン欠損およびISPD欠損の疾患モデルマウスを用い探索的薬効評価を実施する。 本計画により、糖鎖遺伝子補充療法が骨格筋、心筋、中枢神経の病変の改善に有効であることを実証できると期待される。CDP-リビトールの最適化プロドラッグ化合物が同定され、ドラッグデリバリーシステムとも合わせ、糖鎖前駆体補充療法のPOCを実証する。本計画終了時点では、糖鎖遺伝子治療および糖鎖前駆体補充療法の治験準備にすすめる状況が整うと期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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