項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 植込型補助人工心臓装着予定患者を対象とした出血性合併症リスクの事前予測に基づいた個別化精密医療・最適化補助人工心臓治療の実現 | |
研究代表者名 | 齋木佳克 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東北大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 重症心不全 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 植込型左室補助人工心臓(Implantable left ventricular assist device; iLVAD)は重症心不全治療において最も重要な役割を果たしている。症例数は激増しているが、装着後発症する出血、ポンプ内血栓、感染の主要合併症は未だ解決されていない。特に出血性合併症は装着後の約3割の患者に発症し、その原因として後天性フォンウィルブランド症候群(Acquired von Willebrand syndrome; AVWS)との関連が認知されている。これは止血必須因子であるフォンウィルブランド因子(von Willebrand Factor; VWF)高分子多量体がiLVADのポンプ内で生じる過剰なせん断応力によって分解が亢進されることで引き起こされる止血異常症である。VWF高分子多量体の解析・評価方法は、我々研究班で既に標準・統一化されており、AVWSの重症度と経時的変化、出血性合併症との関連性解明に向け、難治性疾患実用化研究事業の「植込型補助人工心臓装着後の出血性合併症予知法および予防法の確立に関する研究」を多施設共同前向き研究として進めてきた。その過程で、同一iLVAD機種であっても、症例毎にAVWSの重症度が異なるという新知見を得た。また当施設で行なったpreliminaryな研究結果から、せん断応力に応じたVWF高分子多量体の脆弱性に個体差があることが健常人で見出されており、この個体差が症例毎にAVWSの重症度が異なるという事象に関与している可能性がある。本研究では、これまでの研究を発展させiLVAD装着予定症例におけるVWF高分子多量体の脆弱性を事前評価する体制を新たに構築し、iLVAD装着後の出血性合併症リスクを予知することを目的とする。将来的に症例毎のVWF高分子多量体脆弱性を考慮した機器選択、個別化精密医療につなげ、出血性合併症リスクを低減することによりQOLを維持した補助人工心臓治療の最適化の実現を目指す。多施設共同前向き研究を継続し、100症例の登録を行い、追跡していく。VWF高分子多量体脆弱性の個体差はiLVAD装着前の採血検体を用い、産業技術総合研究所および東京工業大学と共同開発した可変的せん断負荷装置にて評価できる。今後、高齢者などの心移植適応外症例におけるiLVAD装着治療Destination therapyも導入され、装着期間のさらなる長期化が見込まれることから、致命的にもなり得る出血性合併症リスクをiLVAD装着に至る前に検証し、有効な対策を講じる指標となり得る。昨今iLVADの新規デバイス開発の進歩は著しいが、各iLVAD機器のAVWS重症度との関連性の知見を積み上げることで、今後出血合併症リスクの低減された新規iLVAD開発指針形成にも大いに役立つと考えられる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 重症心不全 | |
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 0 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | LVADAVWS studyレジストリ | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、術式、植込型LVAD情報、臨床経過情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | https://v4jp.viedoc.net/Login?ReturnUrl=%2fHome%2fIndex | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清 | |
収集サンプル数 | 0 | |
生体試料の登録例数 | 0 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
国立大学法人東北大学、佐々木康之輔、konosuke.sasaki.b6●tohoku.ac.jp |
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