項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 核酸標的低分子によるトリプレットリピート病の治療開発 | |
研究代表者名 | 中森雅之 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | トリプレットリピート病 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | トリプレットリピート病とは、3塩基繰り返し配列(リピート)の異常伸長により引き起こされる疾患の総称で、CAGリピートによるハンチントン病(HD)や脊髄小脳失調症(SCA)、CTGリピートによる筋強直性ジストロフィー1型(DM1)、フックス角膜内皮変性症(FECD)などがある。これらの疾患では、異常伸長リピートを持つ変異アリルから転写されたmRNA自体が毒性を示したり、翻訳された蛋白が障害を引き起こすとされている。これまでトリプレットリピート病では、個別の異常mRNAや蛋白をターゲットとする治療研究がすすめられてきたが、いまだ十分な効果は得られていない。申請者らはトリプレットリピート病において、長年にわたり低分子化合物による治療開発を行ってきた。この過程で、異常伸長リピートDNAに結合する低分子化合物のなかに、リピート伸長アリルからの異常mRNA転写を特異的に抑制する作用を持つものが複数あることを発見している。これら核酸標的低分子は、異常アリルから異常mRNAや異常蛋白が産生されるのを阻止することができ、トリプレットリピート病の根本的治療薬へとつながる可能性がある。実際に申請者らは、トリプレットリピート病モデル動物での症状改善効果も実証している。そこで本研究では、これら核酸標的低分子をリード化合物とする誘導体を網羅的に解析し、より高い異常mRNA転写抑制効果・特異性をもつ化合物を同定する。細胞・動物モデルでその効果を検証して、トリプレットリピート病の病因を根源から断つ治療法の確立を目指す。本研究により伸長リピート特異的な転写抑制が達成されれば、伸長CAGリピートの転写を抑制する化合物は、HD、SCA-1,2,3,17型、DRPLA、球脊髄性筋萎縮症などCAGリピート異常伸長が原因となる疾患すべてに治療効果が期待できる。また伸長CTGリピートからの転写を抑制する化合物は、DM1やFECDだけでなく、SCA-8型の治療にも使用可能となる。このように、本研究での治療アプローチは、伸長リピート配列が共通のトリプレットリピート病において高い汎用性を有し、幅広い疾患への応用が可能である。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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