項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 新規ATG非依存性RAN翻訳を標的としたノンコーディングリピート病の治療法開発 | |
研究代表者名 | 永井義隆 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳失調症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 近年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳失調症(SCA)などの非翻訳領域のリピート配列の異常伸長を原因とするノンコーディングリピート病において、異常リピート配列は開始コドン(ATG)を欠くにもかかわらず、生物学的に新規のリピート関連ATG非依存性(RAN)翻訳により産生されるポリペプチドが神経毒性を発揮することが明らかにされた。申請者らは最近、リピートRNA結合能を持つRNA結合蛋白質がRAN翻訳を阻害して神経変性を抑制することを初めて明らかにし(Neuron 2017、論文投稿中、特許出願済)、さらに神経変性抑制効果を認めるリピート結合化合物を既に複数見出している(未発表)。 本研究では、新規のRAN翻訳を標的として、疾患横断的な共通の分子標的治療薬を開発することを目的として、以下の研究を行う。 1)RAN翻訳を阻害する治療薬候補化合物のスクリーニング a) 生体への安全性が確立されているFDA認可化合物ライブラリー(1,262化合物)や独自のDNA結合化合物ライブラリーから、様々な原因リピートRNA(C9-ALS:GGGGCCリピート、SCA31:UGGAA、SCA36:GGCCUGなど)に結合する化合物を、表面プラズモン共鳴法(SPR)等を用いてスクリーニングする。b) RAN翻訳活性をモニターできるRAN-P-GFP安定発現細胞を用いて、RAN翻訳活性を阻害する化合物をスクリーニングする。 2)細胞、ショウジョウバエモデルを用いた1次ヒット化合物の治療効果の検証 上記の1次スクリーニングで同定したリピートRNA結合化合物やRAN翻訳阻害化合物について、a)リピートRNAを発現する培養細胞の細胞毒性に対する抑制効果を検証する。また、b)申請者らが既に樹立しているノンコーディングリピート病モデルショウジョウバエを用いて、in vivoの神経変性に対する抑制効果を検証する。 3)マウスモデルを用いた治療薬候補化合物の有効性の検証 申請者らは既にSCA31モデルマウスを樹立しており、a) さらにリピートRNAを発現するC9-ALS、あるいはSCA36のマウスモデルを作製する。b) そして、上記で同定した治療薬候補化合物のRAN翻訳、神経変性に対する抑制効果を明らかにし、その有効性を検証する。 このようなRAN翻訳を標的とした疾患横断的な分子標的治療薬は世界的にも例がなく、多くの難治性神経・筋疾患に応用が可能である。研究期間終了時には治療薬候補化合物の特許出願を完了し、治験準備あるいは企業への導出へとステップアップする。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
大阪大学、永井義隆、nagai●neurother.med.osaka-u.ac.jp |
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