項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 新生児から成人までに発症する特発性血栓症の診療アルゴリズムの確立 | |
研究代表者名 | 大賀正一 | |
研究代表者の所属機関名 | 九州大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 診療に直結するエビデンス創出研究分野 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 小児血栓症は稀であるが、新生児医療と心臓外科手術の進歩を背景に増加している。近年遺伝性血栓症のうち発症リスクの最も高いProtein C(PC)、Protein S(PS)およびAntithrombin(AT)欠損症の早期診断法が注目されている。日本では成人患者が中心で治療法も進歩してきたが、新生児・小児の診断と治療は確立していない。 私たちは感染を契機に発症したPCヘテロ変異の電撃性紫斑病乳児例(Eur J Pediatr 2009)を契機に、日本人小児血栓症の分子疫学と臨床像を明らかにした(Haemophilia 2013, 日児誌 2013)。代表者は小児・新生児血栓班の5年間の活動を終え、①新生児とAYA世代の発症が多い、②新生児・乳児にはPC欠乏症が、AYA世代にはPS/AT欠乏症が多い、③胎児水頭症、頭蓋内出血、新生児仮死など成人とは異なる発症様式を呈する、ことを国内外に発信し(Pediatr Int 2013, 5th EAHF 2013, 13th AOCCN 2015,第10回日本血栓止血学会SSCシンポ2016)、各因子活性の早期診断に有用な年齢別基準値を提唱した(Pediatr Res 2016)。さらに新生児・小児の診断基準と重症度分類を作成し、成人研究班(村田班)と協力した結果本年申請した指定難病に特発性血栓症が追加された。一方、診療指針作成には新生児特有の病態解明にむけてさらなる症例集積が必要であることも明らかとなった。小児患者が診断されたとき、両親は変異を有する未発症者が多く、また妊娠は血栓発症の誘因となる。小児では抗凝固療法と血栓溶解療法の経験が乏しい。児の生命予後は改善したが、長期管理法は未確立である。研究班で診断したPC欠損症例が根治療法となる肝移植に連続して成功したが(Pediatr Transplant 2015)、非侵襲的根治療法の開発も今後必要となる。世界一の低周産期死亡率と少子高齢化の日本で「小児から家族を守る血栓症診療」を進める意義は大きい。 本研究の目的は新生児・小児血栓症の早期診断と治療管理(H29-30)から根治療法の確立(H30-31)と開発(H31)までを行う研究基盤を確立し、全国に質の高い診療支援を行うことである。私たちは2011年から産婦人科新生児血液学会を中心に症例集積を急速に進め診療ネットワークを充実させて、効率的診断法を提唱してきた。本研究により質の高い診療ガイドラインのエビデンスを創出し、小児血栓症の全貌解明をめざす臨床研究を行う。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | ||
登録済み症例数 | 102 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、出生情報、臨床情報、ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;尿 | |
収集サンプル数 | ||
生体試料の登録例数 | ||
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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