項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症における肺動脈バルーン形成術の医療の質評価及びフィードバックシステムを構築する社会実装研究 | |
研究代表者名 | 小川久雄 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 【研究の背景・必要性】 近年、医療の質の向上及び質に関する情報の公表が求められ、エビデンスと診療実態の解離(Evidence-Practice Gap)を可視化し医療の質を均てん化・向上させる試みが実施されている。しかし希少難治疾患における新規治療では確立されていない。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension: CTEPH)は器質化肺血栓により肺高血圧症を呈する予後不良の希少難治性疾患である。近年、我が国ではCTEPHに対して肺動脈バルーン形成術(Balloon Pulmonary Angioplasty: BPA)が行われ画期的な治療としてひろがりつつある。(1)BPA治療において医療の質を測定する指標(QI: Quality Indicator)は未確立であり、Evidence Practice Gapの可視化やそのフィードバックシステムは存在しない。(2)本邦ではCTEPH患者を大規模に追跡した研究はなく、特に慢性期の予後実態については不明な点が多い。(3)BPAは急速に国内で治療施設が拡大し「医療の均てん化」が適切に行われているが診療実態が不明であり、BPAの医療の質を把握し適正な均てん化及び向上させる必要性がある。 【目的・ねらい】 CTEPHの診療実態を把握しBPAにおける医療の質の均てん化向上のためにEvidence-Practice Gapを可視化し、さらにそのフィードバックシステムを開発し社会実装を行う。 ① CTEPHにおけるBPAの医療の質指標(QI)の作成及びそのフィードバックシステムの開発 ② CTEPHの日本循環器学会・循環器疾患診療実態調査(JROAD)データによる国内診療実態の記述 ③ BPAレジストリー(J-BPA)を用いたBPAの医療の質と長期予後の解析 【特色・独創性】【類似研究・競合に対する有意点・国際的に見た研究の立ち位置】 CTEPH, BPAの診療の質の測定を行う研究は、海外でも報告はなく新規性、独創性の極めて高い研究である。 研究代表者は国内BPA施行施設での世界最大規模のBPAレジストリの研究代表者を務め、極めて質の高いBPAの包括的な実態検証が可能な理想的なプラットフォームとなっている。 【本研究課題終了時に期待される成果】 1. BPAの医療の質を測定する指標(QI)が作成され、そのフィードバックシステムが開発され社会実装される。 2. BPAは他のCTEPH治療法と比較して長期予後に影響するか明らかとなる 3. BPAは国内の施設で医療の質は担保されているが明らかとなる。 【将来展望】 1.CTEPHにおける国内BPA治療の医療の質を経年的に評価し、BPAの医療の質の均てん化・向上を目指す。 2.本研究が希少難治性疾患における医療の質評価を行うモデルケースとなり他の希少難治疾患全体の医療の質を上げることが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | CFC症候群/103 | |
目標症例数 | 1900 例 | |
登録済み症例数 | 637 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | J-BPA | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;疫学研究 | |
調査項目 | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症における肺動脈バルーン治療の有効性と安全性に関する臨床情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 循環器学会での承認を得て提供 | |
レジストリURL | http://bpainfo.ncvc.go.jp/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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