項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 慢性活動性EBウイルス感染症を対象としたJAK1/2阻害剤ルキソリチニブの医師主導治験 | |
研究代表者名 | 新井文子 | |
研究代表者の所属機関名 | 聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性活動性EBウイルス感染症(EBウイルス感染症、EBウイルス陽性腫瘍) | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | 慢性活動性EBウイルス感染症 (CAEBV) はEBVに感染したT細胞、NK細胞の活性化による全身炎症とクローナルな増殖を認める希少難治性疾患である。小児から高齢者まで患者が存在する。AMED難治性疾患実用化研究事業 (藤原班)で本研究代表者新井らが行った全国調査では、自然軽快は無く、造血幹細胞移植が唯一の根治療法で、薬物療法のみで治療された場合の3年生存率は0%であった。治療薬の開発は急務である。 JAK1/2阻害剤ルキソリチニブは、骨髄線維症、真性多血症に対し承認されている経口薬である。藤原班で新井らはCAEBVのEBV感染T、NK細胞ではSTAT3の恒常的活性化を認め、ルキソリチニブ処理でSTAT3活性の抑制、アポトーシス亢進、サイトカイン産生の抑制がみられる事を見出した。移植時の活動性(炎症)の存在は予後不良因子である。ルキソリチニブは活動性を抑え、移植成績、予後を改善すると考え、第Ⅱ相試験を計画した。2018年11月PMDA(新薬審査第四部)合意後、東京医科歯科大学IRBで承認され12月に治験届を提出、2019年1月4日から登録を開始した。2019年2月大阪母子医療センター、5月聖マリアンナ医科大学病院IRBでも承認され、3施設での遂行となった。 試験は活動性を持つ13歳以上のCAEBVを対象とした多施設単群試験である。骨髄線維症に準じ5-25mgを1日2回経口投与する。活動性の消失率を主評価項目とし開始後56日もしくは移植前処置開始日で評価する。5-10例を目標に2020年11月まで登録を行う。2021年3月以降解析し承認申請へ繋ぐ。 さらにCAEBVについて病態は未解明、診断法も保険未収載という現状を踏まえ、全国調査と移植症例レジストリを使用した治療実態の検証を行うとともに、治験参加患者試料を用いてバイオマーカーの検証も行う。また、世界レベルでの疾患の調査、治療法開発を加速していくための国際研究グループを欧米、アジアの医師と立ち上げる。 本研究の特色は未解決の解決、日本から世界へ、の2点である。CAEBVの報告は本邦に集中し、海外の研究は行われていない。CAEBVは2017年に改訂されたWHO造血器腫瘍分類に明記され今後世界的に報告が増えると予想される。診療ガイドラインへの反映を通し、世界の患者の予後の改善へ貢献したい。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 慢性活動性EBウイルス感染症 | |
目標症例数 | 1000 例 | |
登録済み症例数 | 128 例 | |
研究実施期間 | 2018年4月 - 2025年3月 | |
レジストリ名 | CAEBVレジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 年齢、性別、病歴、検査結果、診断名 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 審査の後対応します | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織;RNA | |
収集サンプル数 | 128 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 審査の後、対応いたします。 | |
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 末梢血を用いたEBウイルス感染細胞の解析/慢性活動性EBウイルス感染症(EBウイルス感染症、EBウイルス陽性腫瘍) |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 医療機関内 | |
保険収載の有無 | なし | |
検査実施費用の確保方法 | その他 | |
検体検査結果の利用内容 | 診断 | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | 国立成育医療研究センター 今留謙一 imadome-k●ncchd.go.jp へメールでご連絡ください。 | |
担当者連絡先 | ||
聖マリアンナ医科大学 新井文子 ara.hema●marianna-u.acjp |
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