項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 患者特異的iPS細胞を用いた福山型先天性筋ジストロフィーの病態解析と新規治療法開発 | |
研究代表者名 | 吉田健司 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 福山型先天性筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | 福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は、重度の進行性筋力低下と神経細胞遊走障害による脳奇形を特徴とする常染色体劣性疾患である。発症はほぼ日本人に限られ、日本に1,000から2,000人の患者が存在すると推定される。呼吸筋や心筋障害により平均寿命は20歳前後であるが、筋病態の詳細は解明されておらず、有効な治療は確立されていない。日本特有の疾患であり、国外での研究が期待できないため、日本での治療開発が急務である。本研究提案では、患者iPS細胞を活用して筋病態を詳細に解析し、革新的な治療開発を目指す。FCMDの原因遺伝子フクチンは、細胞膜と細胞外基質との結合を担うαジストログリカン(αDG)の糖鎖修飾に関わる。患者の90%は、創始者変異と言われるフクチンの3'非翻訳領域におけるレトロトランスポゾン挿入変異のホモ接合体であり、10%は創始者変異と点変異との複合ヘテロ接合体である。日本人の約90人に1人が創始者変異を持つと考えられている。この挿入配列内の強力なスプライスアクセプターサイトにより、最終エクソンの翻訳領域内の潜在的ドナーサイトが活性化され、異常なスプライシングが生じる。全てのFCMD患者は創始者変異をホモまたはヘテロ接合で有しており、創始者変異を標的とする治療は全患者を対象にすることが出来る。本研究では、まず、疾患特異的iPS細胞からゲノム編集により挿入変異を除去したコントロール株を樹立する。それらを骨格筋細胞に分化誘導し、αDG糖鎖修飾やラミニン結合能などのフクチン機能を評価する。筋病態を詳細に解析し、新たな治療ターゲットを同定するため、誘導した筋細胞においてオミクス解析を行い、同時に既存薬や低分子化合物の中で異常なスプライシングを修復する候補をスクリーニングで同定する。成果として、ハイスループットなFCMD骨格筋モデルの確立、詳細な筋病態の解明、新たな治療候補の同定が期待される。さらに、疾患特異的iPS細胞を用いてゲノム編集治療の有効性を確認することで、FCMDに対するin vivoゲノム編集治療のコンセプトの証明も期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA;細胞 | |
収集サンプル数 | 1 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立大学法人京都大学大学院医学研究科発達小児科学、吉田健司、tayoshi●kuhp.kyoto-u.ac.jp |
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