項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 心筋炎から心筋症への移行を阻止する全く新しい特発性拡張型心筋症の治療法開発に向けた病態解明と治療標的同定 | |
研究代表者名 | 藩龍馬 | |
研究代表者の所属機関名 | 公立大学法人横浜市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 特発性拡張型心筋症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 指定難病の特発性拡張型心筋症(特発性DCM)は心臓の収縮力低下と左心室内腔の拡張を特徴とし心不全へ至る原因不明の心筋疾患であり,深刻な心臓移植ドナー不足である本邦では特に治療薬の開発が望まれている。特発性DCMの多くはウイルス性心筋炎を契機とした自己免疫性心筋炎から推移して発症すると考えられている。臨床的な治療介入のタイミングを考慮すると,自己免疫応答の持続やそれに引き続く線維性の心臓再構築亢進を阻止することで,心筋炎から心筋症への移行を阻止する治療法の開発が最適である。私たちはこれまでに転写因子Interferon Regulatory Factor-5(IRF5)の過剰活性化が自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)を引き起こすことや,IRF5阻害がSLEの現行治療法の限界を克服できる新規治療法となる可能性を示した(Ban et al,Immunity 2016; Nat Commun 2021)。また自己免疫性DCMマウスモデルを用い病態解明研究を試みてきた(Nishii et al, Circulation 2006, 2013; Sci Rep 2021)。そして私たちが予備実験を行ったところ,心筋炎の発症「後」でもIRF5活性化を阻害すれば心筋症への移行を阻止できる可能性を示す結果を得た。また,ヒトDCMのパブリックデータ解析でもIRF5の活性化を支持する予備結果を得た。そこで本研究では,まずマウスモデルを用い特発性DCM病態形成におけるIRF5の役割の細胞・分子レベルでの解明と,IRF5を治療標的とすることの実験的proof of conceptの取得を行う。さらに特発性DCM患者検体を用いた解析を行いマウスで得た知見をヒトで検証する。これにより特発性DCMを病態分子機構の側面から再定義でき,その疾患不均一性の理解にも貢献できる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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