項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 従来のゲノム解析で診断困難な原発性免疫不全症患者の診断法の開発 | |
研究代表者名 | 岡田賢 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人広島大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性免疫不全症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 原発性免疫不全症(PID)は出生1万あたり1人程度の稀少遺伝性疾患であり、宿主免疫の障害に基づき、様々な重症度の感染症、自己免疫疾患を引き起こす。過去に約400の責任遺伝子が同定され、それらに基づき病態解明が行われてきた。その結果、PID患者における責任遺伝子の同定は、患者の診断確定に寄与するのみならず、治療法の選択、予後の推定に重要な役割を果たす時代となった。 申請者らは過去のAMED課題で、PID患者に対する全エクソーム解析(WES)で有害変異が同定されるのは約30%であること、同定された有害変異の約80%はPID既知遺伝子内に存在することを明らかとしてきた。一方で残りのPID患者は、WESによる網羅的遺伝子解析をもってしても未診断であり、これらの患者をいかにして診断するかが『解決すべきクリニカルクエスチョン』と言える。このクリニカルクエスチョンを解決するため申請者らは、ゲノム解析で同定困難な遺伝子発現異常を引き起こす有害変異(スプライス異常を起こすイントロン変異、同義置換など)に着目して本研究を実施する。PID患者では、同定された有害変異の約80%が既知遺伝子内に集中するという過去の研究成果から、遺伝子発現異常を伴う有害変異の見逃しは、特にPID既知遺伝子内に多いと考えて本課題を立案した。 本課題では、遺伝子パネル解析、WESなどのゲノム解析で未診断のPID患者に対して、PID既知遺伝子を含む533遺伝子を対象としたターゲットRNA-Seqを実施する(ターゲットRNA-Seqは、過去のAMED課題で開発)。これにより、PID既知遺伝子内の遺伝子発現異常を呈する有害変異や、ゲノム解析で検出困難な偽遺伝子内の有害変異の同定が可能となる。精度の高い遺伝子診断を実現するめには、同定した変異が持つ病的意義の検証が必要となる。家系解析、変異の機能解析により同定した変異の病的意義を明確化し、正確な情報に基づいた診断の確定、有害変異同定率の検証を行う。これにより、PID患者の診断率向上を達成するとともに、PID既知遺伝子を対象とした遺伝子発現解析で新たに有害変異が同定される患者頻度を明らかにする。これらの結果を総括し、PID診療ガイドライン策定を行っている難治性疾患政策研究事業の研究班に対して、既存のガイドラインの改定(特に診断フローチャートの改定)に資するエビデンスとして示す。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 指定難病65 | |
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 81 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 遺伝子解析研究 | |
調査項目 | ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA | |
収集サンプル数 | 81 | |
生体試料の登録例数 | 81 | |
DNA登録例数 | 30 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 10 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 70 | |
外部バンクへの寄託 | 0 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
広島大学大学院医系科学研究科 小児科学 岡田 賢 |
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