項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 希少疾患先天性無歯症治療薬の開発研究―Wntシグナル&BMPシグナルに関連する難治性疾患治療への展開― | |
研究代表者名 | 高橋克 | |
研究代表者の所属機関名 | 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性無歯症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 超高齢化社会の健康寿命延伸に向け未病の改善に向けた先制医療への取り組みが、日本の健康・医療戦略の重要な施策となっています。未病改善の対策としてオーラルフレイルを改善するための食が取り上げられ、歯の重要性が再認識されています。本邦における歯の欠損を有する患者は、高齢者を中心に3000万人以上と非常に高い罹患率です。現在の治療法は、義歯や歯科インプラントなど人工補綴物に置換するのみであり、根治的な治療法は存在しません。組織工学的な手法による歯の再生研究が数多く試みられてきましたが、コストや安全性等の問題で、臨床応用まで至っていません。その一方、がんばかりでなく、関節リウマチ等多様な疾患において抗体製剤の分子標的薬の開発が行われ、臨床応用が進んでいます。また、本邦においても家族性アミロイドーシスの分子標的薬としてsiRNA核酸製剤であるパティシランが承認申請された状況です。 歯は、ヒトでは大臼歯が1生歯性以外は2生歯性で、歯数は厳密に制御されています。これまで我々は、歯数制御による歯の再生を目指して分子標的薬の開発に、取り組んできました。過剰歯を有するUSAG-1ノックアウトマウスを解析することにより、標的分子を同定するとともに1つの分子により歯を増やすこと、つまり歯を再生できる事を明らかにしてきました。各種先天性無歯症モデルマウスと過剰歯モデルマウスのUSAG-1遺伝子欠損マウスの交配により、歯の形成が回復することを見出しました。次にUSAG-1 stealth siRNA 含浸カチオン化ゼラチンの局所投与により、genetic linkageに加えて、USAG-1の局所抑制の有効性を明らかにしました。そこで、活性の確認されたUSAG-1組み換え蛋白を抗原として、USAG-1中和抗体を作製しました。その結果、先天性無歯症マウスに標的分子であるUSAG-1の中和抗体を投与することで欠損歯が回復することを確認致しました。更に、野生型マウスにUSAG-1の中和抗体を同様に投与することで過剰歯を形成すること、つまり完全な形の新しい歯を再生することに成功致しました。最初の対象疾患を先天性無歯症として、原因遺伝子変異をバイオマーカーとし、両親から遺伝子変異を判別しておきます。子供の表現型が明らかになる前に、分子標的薬を投与し、歯を再生させる治療法を想定しています。更に、分子標的薬を投与することにより通常退化消失する第3歯堤を賦活化し、第3生歯を形成させることにより歯を再生する治療法を確立することを目指しています。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 50 例 | |
研究実施期間 | 2018-2020 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;治験対照群としての活用;遺伝子解析研究 | |
調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院、高橋克、takahask●kuhp.kyoto-u.ac.jp |
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