項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 希少疾患先天性無歯症患者の欠損歯を再生する新規抗体医薬品の開発 | |
研究代表者名 | 高橋克 | |
研究代表者の所属機関名 | 公益財団法人田附興風会 医学研究所 保健・健康研究部 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性無歯症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験;(治験以外の)臨床試験;治験;ゲノム・オミックス解析研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 生まれつき歯の種類を問わず1本でも歯が欠如している疾患は先天性無歯症とされる。先天性欠如歯が5本以下の軽症型(Hypodontia)と6本以上の重症型(Oligodontia)に分類され、その有病率はそれぞれ10%、0.1%で、重症型は遺伝性と報告されている。先天性無歯症の原因遺伝子としては、EDA1、WNT10Aなどが同定され、その多くがマウスとヒトで共通である。我々はUSAG-1タンパク(BMP/Wntのアンタゴニスト)の遺伝子欠損マウスにおいて、過剰歯を形成することを見出し、歯の数を増やすことができる標的分子を同定した。さらに先天性無歯症モデルマウスと過剰歯モデルマウスのUSAG-1遺伝子欠損マウスの交配により、歯の形成が回復することを見出した。以上の研究成果に基づき抗USAG-1抗体を作製して先天性無歯症の治療薬を開発し、先天性欠如歯に対して歯の再生を目指す。これまでにAMEDの支援のもと中和抗体を作製し、知財を取得、2020年5月にトレジェムバイオファーマ株式会社を設立した。ヒト化抗USAG-1抗体の最終開発候補物TRG035は、先天性無歯症モデルマウス・ビーグル犬において単回腹腔内投与/静脈内投与にて欠損歯を回復できることを明らかにした。TRG035の開発については、現在Phase1試験に必要な非臨床試験およびPMDA対面助言を完了し、Phase1試験のプロトコール骨子を確定した。トレジェム社、京都大学および医学研究所北野病院、AMEDとの産官学の連携により、PI試験を本年の10月末より開始した。先天性無歯症患者は、顎骨の発達期である幼少期から無歯症となるため、義歯や歯科インプラントの適応が困難である。また、成長期にオーラルフレイル(歯や口腔の虚弱)の状態となり、栄養確保や成長に悪影響を及ぼし、歯を支える顎骨も萎縮する。根治的な治療として歯の再生治療の開発が強く望まれていた。これまで組織工学的な手法による歯の再生研究が数多く試みられてきたが、細胞リソース、コストや安全性などの問題で臨床応用までには至っていない。TRG035は歯科治療を根底から変える可能性がある。先天性欠如歯に対して、歯を再生することにより、生涯を通じて自分の歯で食事ができる社会を目指す。 | |
レジストリ情報 | ||
レジストリ名 | 希少疾患先天性無歯症データベース | |
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | 500 例 | |
登録済み症例数 | 391 例 | |
研究実施期間 | 2018年11月~2026年3月 | |
関連学会との連携の有無 | なし | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 高橋克 |
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