項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 小児急性脳症の早期診断・最適治療・ガイドライン策定に向けた体制整備 | |
研究代表者名 | 髙梨潤一 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京女子医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 小児急性脳症、痙攣重積型(二相性)急性脳症(AESD)、難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS) | |
研究のフェーズ | 臨床試験;疫学研究 | |
研究概要 | 急性脳症は痙攣重積型(二相性)急性脳症(AESD)(指定難病 129、小児慢性特定疾患、神経・筋疾患95)、急性壊死性脳症(ANE)、難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS) (同153, 同 神経・筋疾患97)、脳梁膨大部脳症(MERS)、出血性ショック脳症症候群(HSES)、腸管出血性大腸菌感染症に併発する脳症など複数の症候群の集合体である。我が国の小児に好発(800例/年)し、40%以上に神経後遺症を認め死亡率も5%に及ぶ。本研究班では以下を目的とする。 1.小児急性脳症診療ガイドライン改訂版の発行 令和4年度にガイドライン改定版を発行する。令和5年度には3回目の急性脳症全国実態調査を施行し、新たな「小児急性脳症診療ガイドライン」(令和8年度予定)の体制を構築する。 2.共同研究システムの整備 難治かつ予後不良の症候群(ANE、AESD、AERRPS)に対する治療エビデンスの蓄積が不可欠である。本研究においては、令和3年度に脳症症候群に対する現行の治療法を施設アンケートにより把握し、令和3-5年度に治療効果について良質なエビデンスを得るための共同研究システム(急性脳症レジストリー研究)を整備(永瀬)する。特に現在課題となっているAESDに対するステロイドパルス療法、脳平温・低温療法の有効性を明らかにするとともに、AESDの発症直後の診断スコア、画像診断法の開発を検討する。 3.個別の脳症症候群の病像・病態解明 小児のCOVID-19では神経合併症は成人に比してまれであるが、今後の患者増加に即応できる体制をすでに整えており(佐久間)、必要に応じて急性脳症の疫学的調査や症例調査を速やかに実施する。また、原因病原体ごとの急性脳炎脳症の病像を明らかにする。 期待される成果 令和4年度に「小児急性脳症診療ガイドライン改訂版」を出版し、最新情報に基づいた診療を可能とする。急性脳症レジストリー研究を整備することにより脳症症候群の正確な病像・有効な治療方法の確立が可能となる。特に、AESDに対するステロイドパルス療法、脳低温・平温療法の有効性検討は強く望まれるCQであり、新たなガイドラインの基礎的データとなる。小児のCOVID-19感染に伴う急性脳症に対して、迅速に疫学的調査や症例調査を実施することが可能となる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 痙攣重積型(二相性)急性脳症(AESD)(指定難病 129)、難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS) (同153) | |
目標症例数 | 200 例 | |
登録済み症例数 | 30 例 | |
研究実施期間 | 2021.4~2025.3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;有効な治療法の解明 | |
調査項目 | 1) 臨床情報:病院名、生年月日、来院年月日時、性別、身長、 体重、入院前PCPC、神経学的既往歴、FS既往、退院年月日、発症時刻、発症時けい れん、けいれん発症日時、けいれん消失日時、意識障害とGCS(発症後6時間後、1 2時間後、24時間後、48時間後)、片麻痺(発症後6時間後、12時間後)、覚醒 時刻、来院時体温、血圧、呼吸数、発作治療の目標、subclinical seizure、二相性 痙攣、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態、臨床経過のサマ リー、最終の飲水・摂食時刻、最終診断 2) 検査項目 一般血液検査:TP、Alb、AST、ALT、LDH、CK、BUN、Cre、Na、K、Ca、CRP、NH3、 Glu、WBC、Hb、PLT、APTT、PT%、PTINR 髄液検査:細胞数、糖、蛋白 中枢神経画像検査:脳波、頭部CT、頭部MRI 3) 予後 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 現在は想定していない | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京女子医科大学八千代医療センター、髙梨潤一、jtaka●twmu.ac.jp |
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