項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 多系統萎縮症レジストリを基盤とする,ハードエンドポイントに基づく長期自然歴およびサロゲートマーカーの開発による診療に直結するエビデンスの創出 | |
研究代表者名 | 三井純 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 多系統萎縮症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 多系統萎縮症(MSA)は,日本における患者数は12,000人と推定され,平均発症年齢は50代半ば,自律神経症状に加えて,小脳性運動失調,パーキンソン症状などを特徴とする神経難病である.臨床評価スケールとしてUMSARSが提唱され,自然歴研究や治験で広く用いられている. 我々は,2016年より,MSA患者レジストリを構築・運用し,信頼性の高い前向き評価(6ヶ月ごとの看護師のインタビューによるUMSARS part 1と各種のマイルストーン・イベントの聴取,12ヶ月ごとの医師の神経学的診察によるUMSARS part 2の評価),生体試料(ゲノムDNA,血漿,不死化リンパ芽球様細胞)の収集を行ってきた.並行して,高用量CoQ10補充療法がMSAの病態進行を抑制するという仮説に基づいて治療薬開発を進め,高用量CoQ10の有効性と安全性を検討する治験(1年間のUMSARS変化量をプラセボ対照で比較)にて,その有効性を示すに至った.今後,MSAに対する疾患修飾治療の開発が加速することが想定されることから,以下にあげる課題に取り組んでいく必要があると考える. まず,1年という治験期間における高用量CoQ10補充療法の有効性は示されたが,長期の有効性と安全性の評価は達成されていない.これに対して,精度の高い長期の自然歴をヒストリカル・コホート・データとして確立できれば,将来の新たな疾患修飾治療の長期の有効性と安全性の評価が可能になる.また,今後のMSAに対する新たな治験を念頭に置くと,従来のUMSARSでは,短期の症状進行に対する感度が十分でないという問題点が指摘されている.さらに,MSAの発病機序については,まだ十分には解明されているとは言えず,疾患修飾治療の開発を困難にしている. これらの課題を解決することを目的に,本研究では,これまでに実施した医師主導治験のデータ,多系統萎縮症レジストリにおける前向き自然歴研究のデータ,レジストリと連携したゲノムデータの解析に基づき,#1. 次世代型自然歴の確立,#2. CoQ10のサロゲートマーカーとしての意義の確立,#3. 自然歴を修飾するゲノム因子の解明という3つの研究開発項目を設定し,これらの課題の成果に基づき,MSAの診療を最適化するエビデンスの創出を実現する. | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 多系統萎縮症/17 | |
目標症例数 | 1000 例 | |
登録済み症例数 | 616 例 | |
研究実施期間 | 2016年8月~継続中 | |
レジストリ名 | 多系統萎縮症レジストリー | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;製造販売後調査への活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 難病研究資源バンクに寄託。倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | https://msajp.org/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;尿 | |
生体試料の登録例数 | 616 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 難病研究資源バンクに寄託。倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
担当者連絡先 | ||
東京大学 三井 純 mituij-tky●umin.ac.jp |
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