項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 多発性硬化症に対する新規抗体治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 山下俊英 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 多発性硬化症、視神経脊髄炎 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
研究概要 | 本研究の最終目標は、進行型多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMO)による神経症状を改善する分子標的治療薬を開発し、臨床応用を実現することである。MSは複数の神経症候が再発と寛解を繰り返すことを特徴とするが、一次および二次進行型MSでは神経回路の不可逆な変性が起こり、神経障害が進行する。この病態に対する有効な治療法はいまだ開発されていない。我々は、自己免疫性脳脊髄炎の発症および寛解過程に、RGMがキーとなる役割を担っていることを明らかにした(Nat. Med., 2011)。またRGM機能抑制は、マウス脳脊髄炎病態下で、Th17細胞が誘導する神経変性を抑制し、その後の修復過程を加速することを明らかにした(Cell Rep., 2014)。したがってRGM機能阻害抗体は多発性硬化症の各病期に対する症状緩和に寄与し、いまだ治療法が確立されていない進行型MSに対する治療薬として有望である。さらにTh17細胞が病態形成の鍵となるNMOにも効果を有すると考えられる。 本研究では、ヒト化抗RGM中和抗体について、進行型MSおよびNMOに対する薬剤としてのfeasibility studyを行った。研究期間内に複数の動物モデルを用いて、RGMの病態への関与を解明するとともに、各病期におけるRGM抗体の薬効・薬理試験を行い、薬剤治療の最適条件を決定することを到達目標とした。 これまでに進行型MSの病態を反映する複数のexperimental autoimmune encepahlomyelitis(EAE)マウスおよびNMOモデルラット・マウスを用いて、RGMモノクローナル中和抗体の検証を行った。各種モデル動物にRGM中和抗体を投与して効果を検証したところ、神経機能の改善効果が見られた。投与量、投与間隔などを検証する薬理試験を実施し、最適条件を見出している。さらにMRIを用いた効果検討も実施し、薬効評価の指標を得ることができた。進行型MSおよびNMOによる神経症状を効果的に抑制する薬剤として、ヒト化RGM中和抗体が極めて有望であることを、全ての試験結果が示している。本研究終了後に遅滞なく非臨床試験および臨床試験につなげる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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