項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 多発性硬化症における個別化医療実現のための、エクソソームを含めた免疫機構の解明 | |
研究代表者名 | 木村公俊 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 多発性硬化症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 多発性硬化症(MS)は、中枢神経系のオリゴデンドロサイトを標的とした自己免疫疾患である(国の指定難病)。日本での患者数は約1.4万人と、希少疾患である。MSは30歳前後の若年層を中心に発症し、再発を繰り返しながら、一生を通して神経機能障害が蓄積する。就労・出産・子育て等を行う時期に発症することから、罹患者の受ける影響は大きい。ひいては医療費・介護費といった社会的な負荷も大きくなる。これまでに数種類の治療法が開発されているが、いずれも治療効果は十分とは言えず、効果の個人差も大きい。従って、新規治療法の開発や個別化医療に対する、社会的需要は大きい。 本研究では、MSに対する血液浄化療法における個別化医療の実現を目指している。免疫吸着療法を含めた血液浄化療法はMSの急性期治療の1つで、治療効果に個人差が大きいが、事前に効果を予測する有効な手段はない。今回、preliminary dataとして、免疫吸着療法の有効例では、「治療前のTh1細胞(炎症性T細胞)が多いこと」を見出し、本研究を開始した。T細胞サブセットについて、多数例での検討を進め、上記知見の再現性を確認している。また、興味深いことに、治療前のTh1細胞の多少にかかわらず、治療によってTh1細胞の頻度に変化は認められない。現在までに、治療によって、Th1細胞の性質が非炎症性へと変化していることを見出している。さらに細胞相互での関連を探索し、新規作用機序の解明にむけて研究を進めている。 上記の研究により、治療前のTh1細胞頻度によって、免疫吸着療法の個別化医療が実現でき、臨床応用に直結すると考える。またこれまで、血液浄化療法では、病原性のある免疫グロブリンの除去によって効果が認められると考えられていたが、本研究により、T細胞を介した新たな治療作用機序ならびにMS病態の解明につながると考えられる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;細胞 | |
収集サンプル数 | 60 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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