項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 原発性免疫不全症・自己炎症性疾患・早期発症型炎症性腸疾患の臨床ゲノム情報を連結した患者レジストリの構築研究 | |
研究代表者名 | 森尾友宏 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京医科歯科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性免疫不全症・自己炎症性疾患・早期発症型炎症性腸疾患 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;疫学研究;横断的基盤構築研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 原発性免疫不全症(Primary immunodeficiency: PID)は,細菌やウイルスなどの病原体から体を守っている免疫系に、生まれつき異常を示す疾患の総称である。自己炎症性疾患、自己免疫疾患を来す単一遺伝子異常性疾患も含まれることが明らかになってきており、国際免疫学会連合(IUIS)にて、その分類がなされている。本邦では、体系的な遺伝子解析や病態解明を目的として、2008年度より厚労省研究班と理化学研究所免疫・アレルギー科学研究センターの共同研究により、一般病院の主治医からの相談に答えるとともに臨床症状、遺伝子解析、詳細な免疫系の解析を行い、これらの結果から患者の同意の基にデータベース(PIDJ:PID database in Japan)を構築する事業が行われてきた。PIDJには、これまで4481例のPID患者が登録されており、そのうち64%で遺伝子解析、800例を越える患者で遺伝子診断がなされ、既知遺伝子不明の患者の中から新規遺伝子の発見にもつながり、また専門医による相談対応で登録患者のQOLの向上にも貢献してきた。PIDJの運営主体は、2017年6月に研究代表者森尾および分担者の今井、金兼、野々山らが理事を務める一般社団法人日本免疫不全・自己炎症学会(JSIAD)に移管し、診断までの体制は、JSIADを中心にオールジャパンの体制が構築されている。同様に自己炎症性疾患、炎症性腸疾患も厚労省の研究班を中心にそれぞれ症例情報の集約と疫学的な解析が行われてきた。 近年、自己炎症性疾患や小児期早期発症型炎症性腸疾患の中にPIDと同様の遺伝子異常を持った患者群が同定され、これらの疾患は臨床症状も重なる部分があり、PIDと同様に造血細胞移植で治癒する可能性が報告されてきている。また現在保険承認されているPID・自己炎症性疾患・早期発症型炎症性腸疾患の検査のみでは診断に不十分であり、診断にはより多数の候補遺伝子の解析とRNAや蛋白機能解析のデータおよび臨床症状と統合した専門家の議論が必要である。また、これらの検査や相談フローを全国の医師に分かりやすく提示する必要もある。さらに個々の疾患は稀少疾患であることから、各疾患に対する臨床試験の実施が難しいため、各疾患の最適治療法に対するエビデンスの創出はこれまで困難な状況にあった。 本研究では、JSIADの基盤およびAMEDの難病プラットフォームを利用することで、PIDJを自己炎症性疾患や小児期早期発症型炎症性腸疾患にも発展的に拡充し、専門家集団のネットワーク形成、時系列の治療反応情報の収集を通して上記課題をクリアし各疾患の最適治療のエビデンス創出を目指す。本研究により、患者の診療情報をAll Japan体制で集約することが可能となり、収集した多くの臨床情報を基に疾患ごとの最適治療の解析が可能となる。さらにこの結果を基にして、今後PID・自己炎症性疾患・早期発症型炎症性腸疾患のプロスぺクテイブの臨床試験や他の疾患との統合解析、また海外との共同研究、薬事承認申請時の参考資料の作成などの基盤構築を行うことも可能となる。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 原発性免疫不全症候群/65, クローン病/96, 潰瘍性大腸炎/97, クリオピリン関連周期熱症候群/106, TNF受容体関連周期性症候群/108, ブラウ症候群/110, 家族性地中海熱/266, 高IgD症候群/267,遺伝性自己炎症疾患/325 | |
目標症例数 | 5000-7000 (既存のものの移行を含む) 例 | |
登録済み症例数 | 6000 例 | |
研究実施期間 | 2019年4月~2022年3月 | |
レジストリ名 | PIDJ ver.2 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;製造販売後調査への活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
| |
調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 相談可能 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 企業利用に際しては記載はあるが、再度同意を取得する予定。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;RNA;組織;細胞;髄液 | |
収集サンプル数 | 数千(確認要) | |
生体試料の登録例数 | 数千(確認要) | |
DNA登録例数 | 数千(確認要) | |
全ゲノム解析済み症例数 | 約100 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 約1000 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 検討中 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。