項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 分子病態に基づく脊髄小脳失調症1型遺伝子治療の医師主導治験 | |
研究代表者名 | 矢部一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 北海道大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 脊髄小脳失調症1型 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 脊髄小脳変性症(SCD)は、慢性進行性の小脳性運動失調(歩行障害、構音障害等)を中核症状とする神経変性疾患の総称である。SCDは遺伝性脊髄小脳失調症と、家族歴のない弧発例があるが、いずれも根治療法はなく、進行を抑制する疾患修飾療法も開発されていない。優性遺伝性脊髄小脳失調症1型(SCA1)において、分担研究者の岡澤らは網羅的タンパク質質量解析(プロテオミクス解析)から、SCA1神経細胞モデルで減少するタンパク質としてDNA構造調整タンパク質HMGB1を発見した。 HMGB1補充によるSCA1に対する治療効果については、岡澤らのグループがSCA1モデルマウスにHMGB1投与により延命効果、症状改善効果があることを確認している。AAVベクターは、特に中枢神経疾患の遺伝子治療においては、主流のベクターと位置付けられている。分担研究者の村松が、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症やパーキンソン病に対してAADC遺伝子を発現するAAVベクターを利用し、定位脳手術により両側の被殻に注入する遺伝子治療の臨床研究を実施している 本治験においてはヒト由来のHMGB1遺伝子発現カセットをAAVゲノムの両端にあるITR配列の間に組込んだAAV粒子(AAV.GTX-HMGB1)を遺伝子治療用製品とする。本品が細胞に感染すると、ゲノムは核内に移行して二本鎖DNAとなり、多くは染色体とは独立したエピソームとして存在する。AAVの自己複製には、野生型AAVが持つ複製(rep)及びキャップ(cap)遺伝子が必要であり、rep遺伝子は、AAVの染色体への組込みに関与するが、本品ではrep及びcap遺伝子をともに欠失させているため、自己複製能を有さず、染色体への組込みが起きる可能性は極めて低い。したがって、発癌性等の懸念もない。 本治験製品を腰椎髄腔内に注入し、主要評価項目として、投与後12ヶ月までの安全性を、副次評価項目として安全性と有効性を評価する。また治験開始前後に、血液、髄液などの生体試料を用いて治療効果判定、有害事象の判断を行いうる重症度バイオマーカーの探索・開発や難病領域におけるゲノム医療体制の構築を目指す。脳及び脊髄の中枢神経細胞に遺伝子導入を行うことで、患者の神経症状の改善、進行抑制が認められる可能性があり、難治性疾患であるSCA1において新たな病態修飾療法となることが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 脊髄小脳失調症1型/18 | |
目標症例数 | 20 例 | |
登録済み症例数 | 10 例 | |
研究実施期間 | 2017年8月~2033年3月 | |
レジストリ名 | 脊髄小脳失調症1型の自然歴調査研究 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;バイオマーカーの探索 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 相談内容によって検討 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 相談内容によって検討 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清 | |
収集サンプル数 | 31 | |
生体試料の登録例数 | 9 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 相談内容によって検討 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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