項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 全身性強皮症に対する抗線維症活性分子群の創出 | |
研究代表者名 | 宮島篤 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 全身性強皮症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | 全身性強皮症は、免疫異常・炎症、血管障害、線維化を主要な病態とする膠原病であり、皮膚や内臓に膠原線維が蓄積し、皮膚硬化、間質性肺炎、腎機能障害など様々な組織器官で線維化による症状を呈する難病指定疾患である。現在使用される薬剤としては、血管拡張薬や免疫抑制薬があるが、抗線維化薬についてはチロシンキナーゼ阻害薬が一剤あるのみで、新しい抗線維化薬の臨床的ニーズは極めて高い。強皮症の線維化は、他の臓器における線維化と類似のSMA陽性の筋線維芽細胞が線維化のドライバーである。肝臓においては、肝星細胞が活性化したSMA陽性の筋線維芽細胞が線維化を促進する。宮島と木戸は、線維化マーカーSMA遺伝子の下流にレポーター遺伝子を挿入したiPS細胞株を樹立し, それから肝星細胞を分化誘導して、線維化プロセスをモニターする系を確立した。この系を用いた線維化抑制化合物の探索から、すでに複数の候補分子を得ており、その中に抗マラリア薬として長年使われているアルテミシニンを見出した。アルテミシニンは副作用の無い優れた薬剤であるが、新規性はない。大栗は、独自の化学合成法で新規アルテミシニン類似化合物を多数作製しており、その中から肝星細胞の活性化を抑制する新規化合物を複数得ている。本研究は、それらが強皮症における線維化の抑制にも有効である可能性を検証する。浅野は、免疫異常・炎症、血管障害、線維化全ての病態を再現する独自の強皮症モデルマウスを開発している。そこで、肝星細胞の活性化抑制分子を強皮症患者由来の線維芽細胞を用いて評価し、有効な分子については、強皮症モデルマウスにて評価を行い、強皮症に対する線維症治療薬を創出する。また、全身性強皮症における主要な疾患である間質性肺線維症あるいは腎線維症における効果をそれぞれのモデルマウスでも評価する。Medicinal Chemistの助言を得つつこれらの機能を最適化した化合物を創出し、化合物の物性解析、作用機序の解明、臨床試験に向けた安全性や機能評価を実施し、全身性強皮症に対する線維症治療薬として特許出願し動物モデルでの非臨床POCを取得する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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