項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 先天性腎性尿崩症の新規治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 内田信一 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東京医科歯科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性腎性尿崩症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 先天性腎性尿崩症は、尿濃縮機構が破綻し多尿となる疾患であり、重症例では尿量が1日10-20 Lにも及ぶ。昼夜を問わない多尿と脱水症の回避に必要な多量の飲水は、著しいQOLの低下や社会活動の制限を招くことから、根治的治療法の開発が望まれている。 バゾプレシン2型受容体(V2R)の機能喪失型変異が先天性腎性尿崩症の主な原因であり、障害されたV2Rを介さずに腎臓集合管のProtein Kinase A (PKA)/ AQP2水チャネルを活性化することが治療薬の開発戦略であるが、未だ臨床応用へは至っていない。我々は、PKAの細胞内局在を規定するA-kinase anchoring proteins (AKAPs) とPKAとの結合阻害に着目したところ、PKAを直接的に活性化し、腎性尿崩症モデルマウスの尿量を減少させる低分子化合物FMP-API-1/27を発見した。そこで本事業では、よりPKA / AQP2活性化効果の高い低分子化合物を同定し、治療薬の開発を行う。 リード化合物の誘導体展開と類似構造を指標としたin silicoのスクリーニングにより、さらに強力なPKA活性化剤の作成を進めた。その結果、腎臓集合管培養細胞でバゾプレシンと同等のPKA / AQP2活性化効果を持つ化合物Xの開発に成功した。さらに、マウス腎臓において尿量減少効果を発揮する化合物Yを開発した。化合物Yは、経口投与においても有効であった。並行して、腎臓においては効果を持たなかったが、他臓器においてPKAを活性化可能な化合物も同定しており、肥満症を含むPKAが関連する病態への効果検証を進めている。 我々が保有するPKA活性化作用のある化合物は、先天性腎性尿崩症を含めたPKA関連疾患の治療薬として有望である。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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