項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 低ホスファターゼ症に対する遺伝子治療薬による新規治療法の開発 | |
研究代表者名 | 三宅弘一 | |
研究代表者の所属機関名 | 学校法人日本医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 低ホスファターゼ症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
研究概要 | 低ホスファターゼ症は組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNALP)遺伝子の異常によって発症する先天性代謝異常症で、特に重症度の高い周産期型は血中アルカリホスファターゼ(ALP)活性の減少、全身の骨形成不全を伴って生後早期に死亡する。治療法として骨髄移植や酵素補充療法などが行われているが、酵素補充療法では一生にわたる頻回による投与が必要なこと、また莫大なコストが必要であり新しい治療法の開発が望まれる。遺伝子治療はその一つの有望な治療法として期待されている。我々は乳児期型重症低ホスファターゼ症および遅延発症型のモデルマウスを使用し、TNALP発現レンチウイルスベクターによる骨髄幹細胞遺伝子治療(Hum Gene Ther. 2015)やアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる幼若、成体(J Bone Miner Res Plus. in press, Mol Ther Methods Clin Dev. 2021, J Bone Miner Res. 2021, Mol Ther Methods Clin Dev. 2016, Selected Topics in Neonatal Care. 2018, Hum Gene Ther. 2011)および胎児の遺伝子治療(Hum Gene Ther. 2012)の研究を進めてきており、モデルマウスの延命効果や正常な骨形成などの良好な治療結果を得ている。これらの結果より我々は、モデルマウスにてTNALP発現AAVベクターの1回の筋肉内投与により長期にわたる持続的なTNALPの発現が可能であり、延命効果はもちろんの事、各種症状の改善が可能であることを確認し、霊長類においてもAAVベクターの1回の筋肉内投与により持続的なTNALPの発現が可能であることを確認している。 本研究ではより安全で有効性の高いTNALP発現AAVベクターの1回の筋肉内投与による遺伝子治療薬を開発すべく、霊長類、齧歯類の動物を用いた非臨床試験(有効性、安全性試験)の実施、治験用製剤の確保、治験プロトコールの作成、治験相談の実施等を行い、研究開発期間終了時までに、非臨床POCを獲得し、臨床治験へ進める状況とすることを目的とする。低ホスファターゼ症の遺伝子治療は国内ではもとより全世界でも行われておらず、日本発の新規治療法となる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
日本医科大学 三宅弘一 kmiyake●nms.ac.jp |
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