項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 乾燥ろ紙血プロテオーム解析を用いた原発性免疫不全症診断の効率化研究 | |
研究代表者名 | 八角高裕 | |
研究代表者の所属機関名 | 京都大学医学研究科 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性免疫異常症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 原発性免疫不全症(PID:Primary Immunodeficiency Diseases)は、単一遺伝子の異常により重篤な感染性や難治性の炎症病態などを引き起こす稀少遺伝性疾患群である。造血幹細胞移植や分子標的療法など治療法は進歩しているものの、診断の遅れにより十分な効果が得られない症例も多く、予後の改善には正確・迅速な診断が不可欠である。近年、PID遺伝子検査が保険収載され診断の迅速化が期待されているが、検査数の増加に比して診断確定症例は増えておらず、診断の効率化が喫緊の課題である。PIDの診断では、疑わしい疾患を適切に絞り込んだ上で遺伝検査を行う事が必要であるが、症状や一般検査所見のみからの絞り込みは容易ではない。そこで、現在一部の専門機関においてのみ施行可能である疾患責任・関連分子の発現解析を、より広く一般化する必要がある。 申請者のグループは、ノンターゲットプロテオーム解析の手法を用いて、乾燥ろ紙血(DBS:Dried Blood Spot)サンプルから数千種類に及ぶ微量タンパク質の発現を定量評価することに成功している。この中にはPID責任・関連分子が多数含まれており、既に複数疾患の患者検体を用いて疾患責任分子及び表現型関連蛋白の発現異常を検出可能であることを確認している。この手法は特異抗体に依存せず多数分子の同時評価が可能であり、多種多様なPID疾患の同時評価が可能であるため、一般化の障壁であるコストと作業効率を大幅に改善することが可能である。 本研究では、PIDを疑われた患者DBS検体のプロテオーム解析を行い、既存の専門検査や遺伝子解析の結果と照合して標準的検査法としての有効性を確認する。これによりPID診断プロセスの迅速化・標準化(ガイドライン化)が進むと同時に、網羅的な解析手法によりこれまで不明であった多数のタンパク質の発現関連性が明らかとなり、PIDの間接的な診断を可能とする分子や、病態解明に結びつく分子の発見に繋がる事も期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | ろ紙血 | |
生体試料の登録例数 | 70 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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